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Odeurs de la pêche <桃の匂い>
【同性愛♀ 官能小説】

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続編/律子その後-12

4、朝の光

 律子がソファの上で目覚めたとき、絵美はキッチンに立って朝食の用意をしていた。律子は少し恥じらいながら歩み寄って、絵美の肩に頭をあずけた。
「お早う律子……」
「絵美、起きるの早いのね」
「眠れるもんですか。朝までずっと律子の匂いを嗅いでた……」
「私の匂い?」
「律子はいつもいい匂いがするんだもの……」
「お姉ちゃんのレシピのおかげよ」
「それ、教えて。私、律子のために毎日作ってあげる。私もいい匂いになるかしら」
「絵美のおっぱい、もう、いい匂いしてた。だからかな……何だか久しぶりによく眠れたみたい。ありがとう絵美……」
「イヤだ。お礼なんて言わないで」
「私に何かした?」
「何かって?」
「キスもしてくれなかったの?」
「覚えてないんだ。律子にいろんなことしたわよ」
「私……、絵美の話は良く聞いていたわよ。感動した。うれしかった。絵美の言う通りだと思った。そして……抱いて欲しいと思った。これ、ほんとよ。あんなこと言ってくれる人は、絵美より他にいないわ。私が泣いたのは、絵美の言葉に感動したせいもあったのよ」
「無理しなさんなって」
「ほんとだってば。私がバカだったのよ。お姉ちゃんのことばかり考えちゃってたことは事実だけど、寂しいからってすぐ甘えるのは、節操のない女だと思われそうで、素直に絵美の胸に飛び込めなかったのも事実よ。絵美に言われるまで、思考停止状態だったのね」
「分かった、分かった……。私うれしい。律子に<キスして>って言われたときには、10年の恋がやっと実ったような気になった。それだけでもういいと思った」
「キスしてくれた?」
「うん、した。律子もう眠っちゃってたけど。唇、盗んだ」
「……嫌われたわけじゃないのね……」
「誰が……私、ほんとうれしかったのよ。セックスしたいわけじゃないなんて言いながらすごく濡れちゃった。そして、腕、痺れた……」
「キスして……」
 絵美は、半ば開いた律子の唇に軽く触れた。
「これ、テーブルに運んで……コーヒーはないの? あ、そうか、翔子さんが飲まなかったんだ。じゃあ、ハーブティーにするか。アラ律子、泣かないのね」
「絵美の意地悪」
「私ね……もう無理しないことにした。だから律子もそうして。お姉ちゃんを想って泣きたいときには、ひとりで泣かないで私の胸で泣いて。それだけ約束して」
「分かった……」
「食べましょ」
「その前にキスして……歯、磨いてないけど……」
 絵美は、今度は深々とキスをし、微かにアルコールの匂いが残る律子の舌を思い切り吸った。抱きしめた律子の腰が余りにもか弱く、律子の嘆きの深さを語っていた。やさしく律子の頭を自分に押しつけて、溢れ出る律子の唾液を飲みながら、律子の腰を折れんばかりに抱きしめた。
「今夜、抱いてくれる?」
「うん……律子さえよければ……犯したい……」
「犯して。絵美の匂いが嗅げるのね」
「嗅いで頂戴……桃の匂いはしないと思うけど」
「ホホエミの匂いだったりして……」
「親父ギャグなんか言っちゃって」


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