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Odeurs de la pêche <桃の匂い>
【同性愛♀ 官能小説】

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続編/律子その後-15

「私、一度長野に帰ってくる。そして、嘘はイヤだから……、両親を説得してくる」
「じゃあ、律子は私と結婚してくれるの?」
「律子の方からお願いする。籍なんてどうでもいいけど、鴻作さんを立会人として、絵美と共白髪まで暮らすっていう誓いはしたい……その証しになるもの」s
「律子……うれしい……私も一緒に長野へ行こうか?」
「私はいいんだけど……田舎者を刺激しても悪いから。私の人生を自由にさせてって、律子一人で説得する方がショックは少ないでしょうから。だって、同性結婚を宣言してカミングアウトした女性議員が出る時代よ。大丈夫よ。一人で行かせて」
「こうしないか……お前さんたちが構わないのなら、私と養子縁組をするってのは」
「鴻作さんの養子?」
「そうさ……名前は変わるが、同一戸籍に入るわけだ。暮らしはそのままだが、戸籍上二人とも私の子供になるってわけさ。私は独り身だ。立法者もバカなら行政官もそうだ。騙すには格好の役者が揃っているぜ。お前さんたちが私のゼロの財産を相続して、私の老後を見る子供たちだと言えば口実にもなる。奴さんらも偏見の抱きようもない。どうだいこのアイデアは。頭いいだろ」
「鴻作さんはそれでいいの?」
「律子。お前は翔子のようなものだ。絵美は律子の入り婿ってわけさ。これから先の法律がどうなるかは分からない。同性結婚が認められるその時はその時さ。法律が誤っていたって脅かしてやればいい。今は、私にとびきり美人の娘ができる。こんな幸せがあるもんか。そのひとつの家に、つまり戸籍にだな、入るってわけさ。翔子もミニョンも、サキも、みんなでひとつの墓に入ろうじゃないか。どうだい。絵美の旦那」
「橘絵美になるのね。私、幸せよ……鴻作さんは、私が娘じゃ口説けなくなるけど」
「律子は?」
「橘律子……いいじゃない?……ただ愛しているから一緒に住んでいるっていうより、固い絆で結ばれるって思える。絵美と二人で鴻作さんのおむつの面倒はみるわよ」
「さあ、呑もう。ほんとだ、お骨が鳴ったぜ」
                             <完>


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