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異端児カラス
【学園物 官能小説】

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封印-6

みんなに見せる人あたりのいい笑顔。
その裏に隠された孤独な陰に私はどうしようもなく惹かれていた。


そして彼のそんな顔に気付いているのはきっと自分だけだというひそかな優越感を感じていたのだ。


だけど……学校一の人気者で、いつも綺麗な女の子たちに囲まれているヤマトと、異端児の私がつりあうはずもないと始めから決めつけていた。


傷つくのが怖くて。
諦めるのが悲しくて。
私はヤマトへの思いを封印していただけなのだ。


その時鞄の中のケータイが鳴った。
ヤマトからのメール。


『今日はサンキュー。入部届出しといたで!また明日の放課後、部室でな!』



……『サンキュー』。



あんなに甘くて切ないキス。
呆気なく解かれてしまった封印。



ヤマトにとっては誰にでもする挨拶みたいなものかもしれないけど。
単に『ごほうび』のつもりだったかもしれないけど。


私はヤマトへの思いを認めざるをえなくなってしまった。


ずるいよヤマト。



私はどうしても返事を返すことが出来なくて、いつまでもケータイの画面をじっと見つめていた。






END



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