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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第2部 SM観の大転換-1

1.ご主人様からのメール

ご主人様からいただいたメールの文面は、こういうものでした。

「はじめまして、私はΣという、あなたとは親子ほど齢の離れたオジサンです。
私は、あなたの募集に応募する気はありません。
ただ、掲示板に書き込まれたあなたのメッセージを読んで、あなたが今とても危険な状況にあるように思えたので、ちょっと心配になってメールしたのです。
それが単なる私の思い過ごしであったならば、このメールは無視して削除してください。

でも、少しでも私の心配に心当たりがあるようなら、応募してきた人に返信するのはしばらく待ってください。
返信してしまうと、あなたはさらに危険な状況に陥ってしまう可能性が高いからです。

あなたが置かれている危険な状況が具体的にどんなものなのかは、もちろん私にはわかりません。
でも、それが大きく重いもので、そう簡単に解決できるものでないことは、想像がつきます。
そんな八方塞がりで辛い状況に耐えるには、ほんのささやかなものでいいから
喜びを感じられるものを見つけることです。
私は、あなたがそのささやかな喜びを見つけるお手伝いができればいいなと、思っているのです。

といっても、今私にできることは、メールであなたと話をすることだけです。何かあなたが興味をもてることで、私とメールで話をしませんか?
もしあなたが本を読むのが好きだったら、本について話をしましょう。
映画が好きだったら、映画の話でもいいですよ。

とにかく、何でもいいからあなたが今興味をもてそうなことを教えてください。
そして、そのことで私とメールで話をしましょう!
それであなたにささやかな喜びが得られるかどうかはわかりませんが、試してみる価値は十分あると思いますよ。
いつでもいいから、もしその気になったら、私にメールしてください。

ただ、一つだけお願いがあります。
私は、あなたが掲示板に書き込んだハンドルネームで、あなたを呼びたくありません。
私にメールしてくれるときは、あなたが好きになれるハンドルネームを考えて、その名前でしてきてください。

可愛らしくて素敵な名前の、あなたからのメールを待っています。
              お節介なオジサンこと Σ     」
   
      
びっくりしました。
ご主人様募集の掲示板で、こんなに優しいお返事をくれる人に出会えるなんて、思ってもいなかったからです。
本来は甘えん坊である私は、この人なら頼っても大丈夫と、直観していました。




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