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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第2部 SM観の大転換-2

2.「麗」誕生秘話

あ、ご主人様からいただいたメールをご紹介しましたが、タイトルを書き落していました。
そのタイトルは「お節介なオジサンより」となっていたんです。

実は、たくさん来た返信の中には怖いものがいっぱいあったので、30通目くらいから先はタイトルを見て怖そうなものは、本文を開くこともせずに削除していました。
自分勝手なことを一方的に押し付けてきたり、悪意で中傷するようなものがいっぱいあったからです。
だから、「お節介なオジサンより」というタイトルを見たときは、からかうようなことが書いてあるのかなあと、思ったりしていました。

でも、本文を読んでいるうちに、いっぱい涙が溢れてきました。
私のことを気遣ってくれているのがすごくよくわかって、嬉しかったからです。
こんな風に掲示板で募集するのが危ないことだとは、自分でもある程度わかっていました。
でも、死にたいのに自殺できない状況が辛くて、悪い状況になれば死ぬことに近づけるかもしてないという期待を、どこかに抱いていたことは確かだと思います。
そんなところまで、全部見通されていると思いました。

そうなると、そんな私のことを見通してしまう人は怖いと思う意識も、湧いてきました。
そんな心配を吹き飛ばしてくれたのが、最後に書かれていた私へのお願いです。
「ワン子」なんて自分を卑下して粗末に扱うんじゃないよと優しく諭して、ちゃんと自分が好きになれる名前で話そうねといってもらえたのが、心に響きました。
そして、この人と話すことから逃げちゃいけない、この人なら私を今の状況から救い出してくれるかもしれないと、強く思ったのです。

私は、お返事をすることに決めました。
それをするには、自分が好きになれるハンドルネームを考えなければなりません。
私は、一生懸命考えました。
私の本名が1字なので、1字の名前にしようと決めました。

そして、私が礼儀正しいとよく誉められることがあり、それは私にとっても嬉しいことだったのを思い出したので、最初は「礼」にしようかと思いました。
でも、男性の有名な作詞家が「礼」という名前なので、すぐ女性だとわかる名前の方がいいと思い直し、同じ音で女性らしい名前の「麗」にすることにしました。

こうしてこのときから、私は、「麗」というハンドルネームを使うようになっ
たのです。




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