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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第1部 ご主人様との出会い -21

19.自殺への障壁

悪夢は、その夜からほぼ毎日観るようになりました。
そして、夜中に息苦しくなって夢から覚め、そのまま死ねることを期待してまた眠るのですが、朝になると死ねなかったことを知り、落胆するというパターンを繰り返していました。
このことで、私はますます、死にたいと思い詰めるようになりました。
死にたいと思い詰めれば、当然自殺を考えることになりますが、私の場合それには障壁がありました。
私が通う女子校はキリスト教系の学校で、どの学年も週1時間聖書の授業があります。
自殺は許されないと、聖書の授業のときに教えられました。
キリスト教では、自殺は神の御子の救いを拒むもので、神が与えたもうものである生命を勝手に処分しようとする意味で殺人と同じだと、はっきり教えられました。
私は、素直にそれを受け入れていました。
ですから、殺人と同じことをすることになってしまうのでは、自殺は躊躇せざるを得なくなりました。
少なくても、この学校に在学している間は、自殺はできないと悟ったのです。
だからといって、この学校も勉強も好きなので、退学はしたくありません。
でも、私は死にたいのです。
どうしても、死にたいのです。

そこで、自殺ができないのなら、どうすればいいかを必死で考えました。
そして、事故死するしかないという結論に至りました。
しかし、事故死となると、いくら期待して待っていても、なかなかその機会に恵まれるものではありません。
そこで私は、少しでもその機会を増やす試みをすることにしました。
たとえば、電車に乗る時は1番前の車両に乗るとか、駅のホームでは先頭にいるようにするとか、車に乗せてもらうときは助手席に座るようにする等々です。
気休めかもしれませんが、死にたいと思っているのに何もしないでいること
は、自分に対して許せなかったのです。
当然ですが、そんな理不尽な願望は果たされるはずもなく・・・
私は、「死にたい、でも死ねない」という、悶々の日々を送っていました。
そして、その悶々を紛らすために、またオナニーをするようになりました。



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