DOLLHOUSEU 3-1
いつも到着するなり、飛び出してくるリカが今日は来ない。
眠っているのかもしれない。
俺はたいして気にもとめなかった。
洋館に入るが、誰も出てこない。
ユリもいない。
おかしい。
俺はリカの部屋に向かった。
「たっ… たす… けて… ごしゅ… …ま ああぁぁっ」
そう聞こえた。
俺は階段を駆け上がると、リカの部屋のドアは開いていた。
「あっ… ぁん… あ… あはっ…」
リカの声だ。しかも、コレは。
「へっ。 身体は、正直、だよ、なあっ!」
部屋に入るとリカの上には男が跨っていた。
ドア横の壁にはユリが血を流して座り込んでいる。
リカは軽く唇を開いて甘い息を吐き、眉根を寄せて半眼で揺れている。
快楽の中を彷徨うリカの視線がぴくりと動いて、その目を見開いた。
「いやあぁ!いやぁぁ!見ないでっ!見ないでぇぇぇっ! うっ! あっ… あああぁぁっ…」
俺に気がついたリカはもう絶頂にいた。
いつものリカの姿。
白い首をさらし、弓なりになって胸を突きだしている。
硬く尖った先端を持った小さな乳房がふるふると流れる。
でも、リカを絶頂に至らしめたのは俺ではなく。
まるで、俺に見せつけるように。
「んぅぅっ…ぅぅうぅ… すんっ」
絶頂を越え、男が注ぎ込むままにゆっくりと揺れ続けるリカは俺から顔を背けて啜り泣き始めた。
怒りと。
脱力感と。
俺はすぐにリカと繋がったままの男の首根っこを引き上げたが、行為に没頭している男はまだ腰を振り精液を送り込んでいた。
「ぼっちゃん!」
俺に気がついた男はリカから離れ、下げていたズボンを引き上げた。
「こ、これは…ですね…」
頭悪すぎる。現行犯だ。どんな言い訳が出来るというのだろう。
「言ったはずだな。リカには手を出すなと」
「はい…」
「枷が足りなかったか?金の話はチャラだ。自力でなんとかしろ。あと、当然ココの仕事もクビだ」
男が土下座をする。
「すんません、ぼっちゃん。二度とこんな事はしません。借金をなんとかっ!」
「おまえ、ずっと二度、三度があってこんな事になったんだろう?俺の知ったこっちゃねえんだよ」
土下座する男を蹴った。
蹴っても蹴っても溜飲が下がらない。
むしろ、さらに苛つくばかりだ。