DOLLHOUSEU 5-4
「悪い。変なこと言ったな」
リカが首を振ってしがみつく。
「眠りたいの?」
不意にリカが聞いてきた。
「もっとシたい?」
俺は聞き返した。リカがそうしたいならシテやろう、と思った。
「ううん。抱いて」
首を振りながら矛盾する言葉。だけど、そうじゃない。抱きしめてほしいとねだっている。
しがみついているリカをぎゅっと引き寄せると顔をほころばせる。
本当にコイツは利口だ。俺が消耗しているのを知っている。
額にくちづけると、少し口元に笑みを浮かべて目を閉じた。
あっという間に落ちてゆく。疲れていたのはコイツかな。そうだな。
無防備な寝顔。規則正しい呼吸。
「安心しきっちゃって、ん」
ぷに。
ほっぺたを軽くつつくが起きる様子はない。
「…おやすみ」
この温もりが俺の歓びなのは間違いない。
fin.