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イジメテアゲル!
【学園物 官能小説】

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イジメテアゲル!-18

「わ、分かった、ゴメン言う、言うから離して……」
「ダメー、言うのが先!」
 黒光りする亀頭に彼女の細い指がかかる。
「いや、だから、あの、迫られて……断れなかったんだ……」
「はぁ? あんたがそんなにモテるわけないでしょ? あたしは正直に言えっていったんだけど?」
 多香子は容赦なく男のものを握り締める。
「ひぐああああっ! あ、あ、はい……、俺から言い寄りました……」
「こんな可愛い彼女がいるのにどういうつもりかしら?」
「多香子様は大切ですが、彼女も可愛くって、つい……」
「つい? 彼女? ……へー、そうなんだ、あたしは二号なの。浮気なの……」
「別に浮気のつもりじゃなくて、どちらも好きな……ぎゃー!」
 彼氏の断末魔とも思える叫びに、英助は溜まらず目と耳を塞いでしゃがみ込む。
「……あはは、お大事に。希美って子に伝えておいてあげるから、看病してもらえば?」
 乾いた笑いと悪魔のような捨て台詞のあと、ドアを乱暴に開ける音と、走り去る足音が聞こえた。
「ね、何があったの?」
 千恵が嬉々とした瞳で聞いてくる。
「浮気されてたっぽい」
 浮気の代償の恐怖を人事ながら痛感した英助は、さらに歪な女性観を持ってしまう。
「へっへーん、多香子ざまぁ!」
 彼女も多香子に彼氏自慢をされた鬱憤がたまっていたのだろう。
「でも、何であんなことするんだろう。やっぱり進藤もああいうことしたいの?」
「俺は別に誰とも付き合っていないし、モテるほうじゃないからな」
「そうじゃなくて……エッチなことだよ」
 両手を内腿に挟んでモジモジする千恵の言葉に、英助は一瞬考え込む。
「んー、俺だってしたいよ。多分男とか女とか、関係ないんじゃないか。誰か好きになるのも気持ちよくなりたいのも普通だし……久住だってそうだろ」
 デリカシーの無い言い方かもしれないが、英助としては誰かを好きになることを強調したつもりだ。
「うん。そうだよね。普通……だよね」
 泣いて笑って少し落ち着いたのか、千恵は素直に頷いてくれた。
 もう図書館に戻っても平気だろう。しかし、失恋の痛みを抱えて片思いの相手に会うのは辛くないだろうか? 彼も似たような気持ちを持っているが、彼女のそれに比べれば、まったく希望が無いわけでもない。
「久住、課題……さ、俺やっとくから、今日はもう帰れよ。ミーさん達にも言っとくから」
「うん……そうするよ」
 本当はもう少し甘やかしてあげたい気持ちもあったが、あまり遅いと美奈に勘ぐられるかもしれない。
「ちょっと待って……」
 英助が立ち上がろうとすると、千恵が引き止める。
「進藤……、取引しよう」
「取引? なんの?」
「ここであたしがしてたこと、誰かに喋られたら困る。だから、取引……しよ」
 彼女はひなすわりのまま、英助に視線も向けずに告げる。
「俺は別に喋るつもりなんかないよ。つか、誰が信じるんだよ」
 心外というよりは意外な提案だった。少し前の千恵なら、取引などまどろっこしいことなどせず、命令してくるはずだ。
「んーん、信じられない」
 嫌がらせというよりはどこか甘えてくるような彼女の態度に、英助の方が折れる。彼は彼女の隣に腰を下ろし、正座する。
「……分かったよ。久住がそれで安心するなら、応じるよ。で、久住は何を提示するの?」
「黙っててもらう代わりに、ちょっとだけ気持ちよくしてあげる……」
 千恵は正座する英助を「えい」と押し倒し、彼の腰の辺りに跨る。


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