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イジメテアゲル!
【学園物 官能小説】

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イジメテアゲル!-17

「付き合っちゃいなよ。そうすれば、あたしだってもう少し……」
「もう少しってなんだよ。だいたい俺とミーさんのことは久住には関係ないじゃん」
「なに言ってるのよ、全部あんたが……、待って、何か聴こえない?」
 千恵は耳に手を当て周囲を探る。やがて何かに誘われたように壁際に歩み寄る。
「……何か聞こえる?」
「……うん、隣からだけど、普通じゃないっぽい」
 隣というとサッカー部部室であり、先ほどバカップルが入っていった場所だ。
 英助も彼女に倣い、壁に耳を当てる。
「……ん……ちゅぱ、はむ……あはぁ」
「……ああ、いい、すげーいい。やっぱ最高だ、お前のテク」
「……んもう、煽てたってなにも出ないからね……、つか出しちゃいなよ……んふぅ」
 交互に聞こえる男女の声は、恋人同士の逢瀬のレベルではない。
「多香子った課題サボってなにやってるのよ。……ね、進藤手伝って」
 千恵は壁際に並ぶロッカーの一つに手をかける。
「……この裏に覗き穴があるの。サッカー部のバカがテニス部を覗くつもりで空けたの」
「おいおい、覗きなんて……」
 英助は先ほど大声で咎められたばかりなので気が退ける。
「だって気になるじゃない。それにもし無理矢理されてたら助けてあげないと」
 会話を盗み聞きした分には無理矢理であるとは想像できない。一〇〇パーセント千恵の好奇心でしかないが、これが多香子の弱みに繋がるかもしれないと思い、英助もロッカーを動かすことに協力する。
 音を立てないようにゆっくりとすりながら移動させると、壁に小指の半分程度の穴を見つける。千恵はいそいそと近づくとウインクしながら覗き込む。
「どう? 見える?」
「……う、うん。多香子がいる……えっと、わっ、すごっ……あんなことするんだ……」
 千恵は口を隠し声を押し殺すが感嘆の声が隙間から漏れる。
「なんだよ、いったいどうなってるんだ?」
「だって、言えないよ。つか自分で見ればいいじゃん……」
 千恵は実況を放棄し、そのままへたり込んでしまう。
 覗きをしては本格的な痴漢となってしまうが、それでも千恵のリアクションと壁越しに聞こえてくる男女の荒い息遣いに倫理感も陰を潜める。
 英助はいそいそと立ち上がり、覗き穴に目を近づける。穴はこちらからは一つしかないが、あちら側には複数ある。複数人が同時に覗けるような工夫なのかもしれない。
「……ん、アハァ……ねぇ、気持ちいい? いってくれなきゃやめちゃうよ?」
 いつもの男っぽい声が嘘のような、甘ったるい纏わりつく声に、英助は耳を疑う。
 ぼんやりとした点に浮かび上がる多香子はパイプ椅子に座る彼氏の股間の上で頭を上下させている。
 ――フェラ……チオ?
 行為の名称ぐらいは知っている。もちろんされた経験はないが。
「ほんとうめーよな、多香子は……、あ、そこ、カリ、いい、マジでいい……」
 彼氏は苦しそうに顔を歪めているが、右手が彼女の頭に添えられ行為をせがむように前後している。
「はぁ……もういきそ……、希美、俺イクわ……」
 ――希美? 誰? それ?
 行為に見惚れていた英助だが、彼氏の口から出た別の女性の名前に疑問符が浮かぶ。
「……ちょっと、誰よ希美って……」
 それは多香子も同じらしく、先ほどまであんなに媚びていた声もすっかり低い男声にもどる。
「いや、その、だから、誰でもない。多香子、俺はお前だけを……」
 うろたえる彼氏の様子に何かを確信した多香子は「にひー」と笑い声を上げると、男のいきり立ったものにデコピンを始める。
「ぐあ! やめろ、多香子……!」
「誰かなー希美って……。正直に言わないともっと酷いことしちゃうかもー」
 多香子はしわしわの韻嚢に手をかけると、睾丸をごりごりともみ始める。


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