DOLLHOUSE〜prototype〜-12
梶がリカちゃんの身体を起こす。
「んんっ…」
ぐったりとしていた人形が目を覚ます。
「堕ちたね。リカの負けだよ」
梶がそんな事を言ったように思う。ハッキリ覚えていない。
後ろから彼女の太股を持ち上げる。
「あぁん…」
彼女はゆっくりと僕から抜けていき、外れた瞬間に、ぼたた。と、ない交ぜの液体が僕を濡らした。
「ううぅん…」
梶に抱えられM字に開いたままのアソコにケンとユウが指を差し込んでいた。
僕は実習台の上で何も考えられないままに横を向き、リカちゃんの様子を見ていた。
リカちゃんは隣の台に横たえられた。
足を抱え込まれ、ケンに埋め込まれていた。
一方、ユウは腕をリカちゃんの頭上で押さえ込み、ペ○スを口につっこんでいた。
「ぅ… ぅげぇっ… んくっ… ごく… ぎゅっ…」
あまり声は出せず、代わりにノドで空気が圧迫されているような音がしていた。
腕を伸ばした状態でさらに薄くなった胸が動きにあわせてゆらゆらと流れる。
男2人、華奢な人形の上でケツを振ってる。
滑稽な光景の筈だった。
でも僕はひどく虚ろで、ただそれを眺めていた。
教室を去り際。
リカちゃんが言葉を発した。
ずっと声は上げていたが、それは喘ぎ声で、意味を持った言葉ではなかった。
学生服を着て、先に出た梶を追い理科室を出た。
「ご主人さま」
小声でいったその言葉が僕の頭を反響していた。
その時、僕らはもう残骸だった。
あの日を堺に僕らは連まなくなった。
教生は予定通りに学校を去った。
僕らも教生もなにも言わなかった。噂もない。
リカちゃんがどこの誰なのかはわからないままだ。
ウチの学校の生徒ではないようだが、あれは成人の身体とは思われなかった。
僕は無意識に学校や街で見かける女に彼女の面影を探している。
慈しむように愛してみたかった。愛されたかった。彼女に笑ってほしかった。
我ながら女々しいな、と思う。
……でも、僕らは二度と彼女と会うことは無かった。
fin