DOLLHOUSE〜prototype〜-11
「やめろっ!」
僕の声など聞こえていないように、なんの躊躇もない。
そして、彼女の細い指先が白く濡れた花弁を開いて僕の先端を導く。
深く深く息を吸い込むとリカちゃんが腰を落してきた。
「ううぅ… っんっ!」
唇を噛みしめて苦しげに歪む表情。
くちゅ、くちゅ。
リカちゃんが根本まで下りてきた。僕らは密着した。
「はあっ…はあっ…はあっ…」
僕の腹に手をついて肩を揺らして荒い息をつく。
「ごく…」
静かな教室にリカちゃんの唾を飲む音が響く。
同時に顔を上げて僕を見た。
なにも映さない瞳。僕を見ている筈なのに、僕をみていない。虚ろとも違う。
ゆっくりを腰を振りはじめ、眉を寄せて苦しげな表情になってゆく。
「あはんっ… うんっ… はん…」
「うわっっ…」
快楽に身体が毒されていく。
狭い膣内は僕を吸い取るように蠢いている。
「や、やめ…ろ…」
僕はそれでも抗っていた。
長い長い時間に思われた。彼女の額に汗がひかる。
苦しげでリズミカルな息が僕の頭をオカシクする。
乱れる彼女の声はどんどん甘くなり、小ぶりの胸が上下するさまをじっと見ていた。
「んっ… ぅんんっ… ん…」
だめだ。限界だ。
もう。
なにかがぷつんと音をたてて切れた。どうでもいい。もう。
そう思った瞬間に僕は動いていた。
汗ばんだ彼女の太股を押さえつけ、下から彼女を突き上げていた。
「あっ! ああっ! いやっ!」
突き上げて突き上げて、彼女の身体を貫き通してしまうぐらいに深く強く。
「こんなっ… あぅうっ… は!」
僕はもう止まらなかった。止められなかった。
頭の片隅でなにかが泣いていたが、そんなモノは暴力的な衝動の前で消し飛んでいた。
何も考えられなくなっていた。
じゅっ じゅっ じゅっ …ぷ
卑猥な音。卑猥な声。麻痺してしまう。
「あんっ! ああん! やっ! ぃやっ!」
もっと。もっと。もっと!
彼女が締め付けるから、我慢の効かなくなった僕のリズムはどんどん早まっていく。
「あっ! ぅあっ! だめっ! だめぇぇぇっ! あああぁぁぁっ…」
僕は彼女の中にぶちまけた。
彼女は僕の上激しく揺れ、反り返って動きをとめた。
やがて緩慢な動きでばさり、と崩れ堕ちた。
「ちくしょう…」
僕は呪詛の言葉をはいた。
それは梶に向けられたものであると同時に自分自身に対してのものでもあった。
ひどく気持ちが良かった。
が、それすら心を重くする。
柔らかな彼女の身体は僕の胸に倒れ込んで、動かなくなった。僕をくわえ込んだまま。