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ハエ男の悲劇
【ファンタジー 官能小説】

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ハエ男の悲劇-4

家に帰ってもするし、階段の最上階や女子トイレの中でもよく交尾した。


そのかわり、彼女は僕に人間のルールを教えてくれたのだ。

交尾の時、つまりセックスする時は最初と最後にちゃんとキスする事。

学校の中でする時は仕方ないけれど、いきなり後ろから交尾するんじゃなくてオッパイや性器や女の子の体をちゃんと舐めたり触ったりして可愛がってあげる事。

それから、交尾すると赤ちゃんができてしまうから必ずゴムをつけてする事…

それと、誰とでもすぐ交尾しない事。


つまり彼女は僕の初めての恋人だったのだ。

僕の特技はさっきも言ったように、特殊だった。


女の子の匂いを感じると優しくする。

女の子の体温と表情で交尾したがっているのが分かる…


優しくすると女の子は交尾したがるのだ。


どう?…これはスゴくない。

小学生の時に僕は体温の微妙な変化で相手の心が感じとれるという自分の特殊な能力に気がついた。

中学生になると僕は自分の体から女の子が交尾したくなる何か特殊な匂いを放つ事に気がついたんだ。



それで高校生になって僕はこんな事を思いついたんだ。

僕はハエ男なのだ。

生まれ代わる前はハエだったんだ。

人並み外れたバランス感覚と複眼でも持っているかのように視界の外まで空気の動きや温度の変化でその様子が見て取れるように分かってしまうんだ。

また、それは早く動く物もよっぽどでない限り見る事ができた。


それだからドッヂボールや野球なんかしていても、面白くも何ともない。


体育の成績から見て中学、高校と野球部やバスケット部…

それから柔道部などの運動クラブからかなりしつこく声がかかったけど、残念ながら僕は体も小さいし足もそんなに早くなかったのだ。


そんな事より毎日、女の子と交尾してる方がずっとよかった。

僕はハエの特殊な能力を持ったまま、生まれ代わってしまったのだ。


例えば、君が部屋の壁に貼り付いているゴキブリを叩こうと新聞紙を丸めたとしよう。


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