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ハエ男の悲劇
【ファンタジー 官能小説】

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ハエ男の悲劇-1

僕はこんな夢を見た。

まっ白くそびえ立つビルの上。
僕はなぜか屋上に這いつくばるようにして眼下に広がった景色を見下ろしていたんだ。


大きな木が生えてたり、小さな建物がたくさんあって…


何だろう?…

よく思い出せないけれど、それを眺めた僕はたちどころに愉快な気分になって力一杯跳ね上がるとそこから飛び降りたのだった。


空中を感じた瞬間…

体中の体毛が逆立った。
地面に向けて、まっさかさに吸い込まれて行くかと思ったら…


ブーン
ブーン

僕の背中には透明に煌めく二枚の薄い羽根が轟音をあげていて、ふわりと宙を舞うと天高く、そして速く…

僕の体を自由自在に天空に舞い上がらせていたんだ。


… … … …


僕には特技があった。
他人の心が読めるのだ。


そういうと大袈裟なんだけれど、例えば教室で先生が誰かを当てて答えさせるという…
まぁ、どこにでもあるような光景を思い浮かべてほしい。

そこで黒板に向いて何か書いてる先生がそう考えた瞬間に僕には先生の心が読めたんだ。


それは、先生の癖とか授業のやり方とか…
そんな事から誰にでも察しがつく。

でも、次が問題なんだ。
先生が振り向いた瞬間に誰に当てるかが分かってしまうんだ。


どうかな?
これ、凄いと思わない?


そう?…

じゃあ、こんなのどうだろう。


ドッヂボールとかバレーボールなんかで相手のチームがどこを狙ってくるかとか…

それもたいした事ないかな?

よく観察してれば分かる事?…


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