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七夕には愛を囁いて
【幼馴染 官能小説】

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七夕には愛を囁いて-9

ねぇ殺して?よっちゃんならあたしを貫いて殺しても、きっと気持ちいいよ。
速くなる動きに目の前が白く染まる。落ちる螺旋階段は多分あたしの方が早いね。
ズンズン突かれて涙が出る。ぬちゃぬちゃと卑猥な音が速くなり聴覚までもいきそうだ。
「いや、あっ、やぁぁ」
なぶられていた肉芽が捻られる。途端、白く濁る。
「あんっつあん、あああっ、いく、ひぃぃっ、いっちゃう、あっあっっあああああああああっ」
何も聞こえない。あたしの声だけ耳の奥でなってるよ。わかるのは、熱い、熱い、よっちゃんの精液。
「出す、ぞ、……っくっそ……あっ」
折り重なるように倒れたはず。
はずって言うのは……あたし、意識を失ったから。
よっちゃんに突かれて生まれて初めて、失神、した。





ぺちぺち、と頬を叩かれる感触で目を覚ます。光に溢れた室内をぼんやりと眺めると、安心したように息をつくのが聞こえた。
「大丈夫か?気持ち悪いとかある?」
ふるふると顔を動かし、よっちゃんの体に寄り掛かる。不意に体が軽くなる。ああ、抱っこされてるんだ、そう理解すると瞼が重くなった。
「おい、もうちょい待てって。ベッドで……」
ふわふわする。よっちゃんの匂い、気持ちいい。鼓動が子守歌みたいに響いて。
「しゃーねぇなぁ」
あ、文句言ってる。
なのに、ベッドに寝かせたあたしを抱きしめるように横になる。首の下に回された太い腕、あたしの髪の毛に顔を突っ込んで後ろから抱きしめる。二人で一個の卵みたいに丸くなって眠りにつく。
だけど思わず笑いが込み上げる。半覚醒状態なのに幸せ過ぎて笑いたくなる。

「なあ」

沈黙を破る声。あたしの状態を知ってか知らずか。
あたしの後頭部に鼻を押し付け熱い息を吐いている。

「結婚するかな」

ぼそりと呟き、またあたしをきつく抱きしめる。
結婚って、あの結婚?
よっちゃん……!

「よっちゃん!?」
「……おまえ起きてんじゃん」
「なんで……いきなり、結婚?」
「……」
勢いよく振り向いた先に見えたのは、しまった、と言わんばかりのよっちゃんの顔。
それを見て、解ってしまった。
自分に言った言葉じゃないって。こんな時ばかり幼なじみが悲しくなる。
三秒前まで勘違いしてた。あたし、自分がプロポーズされたと思って。よっちゃんと結婚するって、ふわふわした妄想の世界でいつも願ってたから。

「……いきなりじゃない。前から考えてた」

眉間に皺を寄せ、本意じゃ無い様子で渋々と語る。しまったって顔と、今の様子。……ずるいよ。被害者みたいな顔してさ。気付いちゃうんだよ?あたし、表情だけで。
「俺もいい歳だろ?ここは田舎だし、早めに身を固めたって悪くねぇだろ」
少し照れたように笑う、そんな顔、見たくない。
奥歯を噛み締めると涙が零れ落ちそうになった。頬っぺたの内側、柔らかいところを噛むと錆びた味が口に広がる。痛い、でも。この未消化の気持ちは紛らわす事が出来ない。
「なんで?じゃあどうして……こんなことしてるの?」
掠れた声。声を出すたびに涙腺が緩んでく。
「お前と真面目に話そうと思って。なかなか無かったし。……悪い、いきなり抱く気はなかったんだけど。つい、な」
結婚するような人がいてて。あたしとこういう事して。あたしと………
ばか。よっちゃんのばか。
抱く気はなかったって、セフレ、だった?
好きって聞いた事ないし、えっちもずっとしてなくて、久しぶりにしたらやっぱ駄目だって確認したの?
あたしじゃつまんない?
やっぱり……
やっぱり、幼なじみは嫌?


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