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七夕には愛を囁いて
【幼馴染 官能小説】

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七夕には愛を囁いて-10

「よっちゃんの馬鹿……」
全部飲み込んで出て来た言葉。自然と溢れた涙が頬を伝う。マスカラ、滲んでるよね。
よっちゃんの腕を払いのけてベッドから降りようとするが、普通じゃないあたしの様子によっちゃんの体が動く。
「おい、待てって」
「嫌っ、離してっ」
「なんだよ、泣くような話じゃ」
「放っといてよ」
掴まれては振りほどき、それでも掴もうとする手を払いのけ、あたしは必死に抵抗した。
だけど、漸く床に片足を降ろしたとき、がっしりと両腕を掴まれ、動けなくなってしまった。
「よっちゃんなんてキライ」
涙でぐしゃぐしゃの顔で言う。もがいて抵抗したから、髪は乱れ、涙でそこら中が滴って、鼻水さえも満足にすすえない。
降ろした片足に力を込めて立ち上がろうとしたからか、中から溢れた精液がどろりと滑り落ち、つうぅと足を伝って流れていく。
全てが嫌だ。
流れ出た精液に涙が止まらない。
こういう事、して、何でもない顔してるなんて。
あたし、よっちゃんだから、、よっちゃんだから、何されたって、どうなったって………好きだから。

あたしの「大好き」は、いつも本気だったよ?

「なんで、そんなに泣く」
溜息混じりの声は酷く疲れているようで、あたしは更に体を固くした。
「泣くって、仕方ないじゃん。もう放っといてよ、せいぜい幸せに、なれば、いいじゃん」
鳴咽と共にたどたどしい声。あたしの精一杯の強がり。
流れ落ちる涙と、精液と、あたしの悲しみ。
こんなに近くて遠い。幼なじみって苦しいだけ、だよ。

「何言ってんだよ。俺が幸せになんのはお前の側って決まってんだろ」
「嘘つきっ」
「嘘なわけねーだろ。今だってこうして」
「じゃあなんで……別の人と結婚しちゃうのよっ!」
振りほどいた腕で空を切る。パンッと渇いた音。あたしの精一杯の強がりは、よっちゃんの頬を赤くする。
叩いた手が熱い。力を失ってベッドに崩れ落ちるあたしを、よっちゃんは今度こそ見捨てるだろう。
そうやってキライになればいい。あたしを忘れてしまえばいい。
たった半年、気持ちが通じた半年はあたしの思い過ごしだったんだね。
浮かれてたのは、あたしだけだったって。

「英津子、俺はお前と結婚したいんだけど」

呟く声に肩が震える。
嘘だ。嘘でしょ?そんなはず、ないよ。

「俺はお前がいいんだけど?英津子は嫌か?」

涙でぐちゃぐちゃの顔を上げると、困ったように微笑むよっちゃんがいた。
なんで、どうして?納得できない気持ちもあるけど……だけど

「よ、よっちゃんが、好き、よ?」

信じられない言葉にあたしの涙は止まらない。
信じていいの?
あたしの考えは杞憂だった?


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