愛を囁くよりも先に…加藤美緒の秘め事…-6
だが、そんな思考を停止させるのは男の愛撫。
唾液と加藤の体液で、加藤のそれは妖しく光る。
「あっ…ん、指…もっとっ…!」
「しまってる…ここ」
普段は加藤の下で加藤が腰を動かしているのを眺めている男も、今日はここぞとばかりに愛撫に集中して、卑猥な言葉を投げかけていた。
「しまっ…てる…?」
「ああ、すごいよ…。お前のここ…」
「――んんんっ!!」
ぎゅうぎゅうと締め付けるそれの中で、男が無理矢理指を動かす。
加藤の腰が自然と浮くほどに震えていた。
「あっ…ああっ!!イクっ…ん!!」
男はゆっくりと指を抜き、ベッドの横にある備え付けのテーブルの上からコンドームを取る。
加藤は男をじっと見つめながら、荒い吐息を吐いていた。
加藤は脚を開いた。
その部分を、見せつけるように。
「欲しいから、早く…きて…」
男はごくりと唾を飲み込み、我慢できないというようにコンドームを素早く装着する。
そして加藤のそれにこすりつけると、加藤が挿入を促すように男のそれをつかんだ。
「ふふ…ここ…カチカチじゃない。早く、犯してよ…」
その言葉が引き金で。
男は、自分の体重を精一杯かけると加藤のそれにねじこんだ――
「んっ…あ…入って、るっ…!!」
「すごいよ、ここ…」
いつもにはない興奮に、男はめちゃくちゃに腰を動かす。
加藤も、普段では得られない快感に酔いしれている。
だが。
加藤の頭の中によぎるのは――
金澤純と三沢秋。
偶然ドアを開けて見てしまった、あの光景。
服も脱いでおらず、ただ抱き合っているような格好ではあったが。
(あたしには無理だと、実感させられたの…)
「ああっ…!もっと、もっとして…!!」
押し寄せる快感の波が加藤を襲う。
その波にずっとまかせていることができたらどんなに楽だろうか。
そんなことを加藤は思いながら、自分の上に乗っている男を抱きしめていた。