愛を囁くよりも先に…社長との秘め事…-5
それは、昨日俺が…社長にキスしたことを言ってるのか…?
社長は俺の目の前までやってきて、ソファーに腰掛けた。
俺の体が熱くなり、心臓が高鳴る。
「三沢がいつもあたしを守ってくれて嬉しかった。だけど…昨日初めて三沢はあたしを守らなかった、でしょ…?
――それがどういうことなのか…教えてほしい」
キスをしてしまったこと。
それは、俺が『俺自身』から社長を守らなかった、ということ。
俺は今、社長から言われてやっと気づいた。
『自分以外』から社長を守りたかったんだ、って――
自分以外の男を寄せ付けたくないのを、秘書という自分の役職を理由にして。
近くにいすぎて、そんな当たり前のことに気づかなかった――
相手が社長だということが大きすぎて、この今の関係を壊したくなくて。
だから――
「困らせたなら、言わなくてもいいわ。男だから、そういう欲求があっても仕方ないと思うし…気にしないで」
そう言って立ち上がろうとする社長の腕を、俺はぎゅっと掴んだ。
社長が驚いて振り向く。
「どしたの…?」
「俺…社長のこと、もう守れないです」
「三沢?
…ちょっとっ…え…?!」
ソファーに社長の体を強引に沈めて、社長にキスをする。
昨日のキスのように触れるだけのキスじゃない。
社長の唇の隙間から、まるで苦しいと言っているように吐息が漏れた。
長いキスの末に、俺が唇を離しても荒い吐息が漏れていく。
「『これ』が、あたしの質問の答え…?」
苦しそうな吐息を抑えようと、社長が自分の口に手を当てながら、そう俺に聞いた。
「あたしでいいの?
三沢より、7歳も…年上なのよ…?」
「…そんなの関係ないです」
俺はそう言い放って、スカートを乱暴にめくる。
「やっ…」
膝を立て、太ももをで隠すようにするが、俺の目にははっきりと見える、真っ黒なガーターベルト。
黒いストッキングのレース部分をつなぐストラップを指でなぞる。
「社長…」
「みさ…わっ…!!」
脚を広げてその部分に顔を押しつけると、それ特有の香りが下着越しに感じ取れた。
太ももを両手で何度かなぞってから下着をゆっくりとおろすと、露わになる社長の茂み。
服を着たまま、下着が脚にかかっている状態を見ると…何だかとても興奮してくる。
俺はジャケットを脱ぎ捨てると、ネクタイを素早く外した。