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Unknown Sick
【悲恋 恋愛小説】

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Unknown Sick-76

「何だ、話というのは」

「くだらないことを考えていたんだ」

先程考えていた未来像を姉に話した。恥ずかしがることもなく、はっきりと。

「そうか……」

「どう思う? 愚かな奴だと笑ってくれるかい?」

「まさか」

姉は肩をすくめ、細くため息をつく。

「すまなかったと思っている。今それを聞いてそう思った」

姉はベッドに座り、俺の手を強く握り締める。

「力のない私を許してくれ。お前の夢を奪った私を許してくれ」

「あなたは何も悪くないよ」

そうさ。あなたは何も悪くない。悪いのは俺のほうだ。何も理解しようとしなかった。何も見ようとは思わなかった。現実から目を逸らし、誰かの責任にしてきた俺のほうさ。

「だが……」

「俺はもうあなたを恨んでいない。あなたを傷つけない。だからそんなことは言わないでくれ」

もういいんだよ。俺は何もかもがわかったから。あなたの優しさも、世界の美しさも。

「正和……」

「俺は幸せさ。例え死のうともね」











入院してからたった数日で、俺はベッドで寝たきりのような状態になっている。誰かが来ても、起き上がることさえも難しい。

「正和君、お姉さんが来たよ」

医者の言葉が聞こえ、そちらへと視線を移す。

「先に聞きたいことがあるんだけど、いいかい?」

「問題、ない」

 何でも聞いてくれ。この病気を治す糸口を見つけられるのなら、何でも話してやる。

「何か……そう、この病気の原因となるようなことをやったつもりはないかい?」

「ない」

 普通に生活していただけだ。バイトして、帰ったら煙草を吸って、時々酒を飲んで、寝るだけの生活だ。


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