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彼な私
【少年/少女 恋愛小説】

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彼な私-7

気が付くと私は保健室のベッドの上だった。
「タケ子…大丈夫か?」
私をのぞき込んだのは尚。
「…尚…」
―ああ…そうか…私は春樹に振られたんだ…ついさっきの出来事なのに、とても遠く感じる。
「…もう放課後だよ…お前さ…ちゃんと食ってんのか?」
尚、ベッドの横に置いてあるパイプイスに腰を下ろした。尚はずっと付いてくれていたようだ…
「…うん…あ、尚、さっきはありがとう」
‘さっき’自分で言いながらやっぱり遠く感じる。
私、体を起こしてベッドの下に足を下ろした。
「なんか食って帰る?」
尚の問い掛けに私、無言で首を振った。
「…タケ子…」
「…本当ありがとう…私大丈夫だから…ほら、ああいうの慣れてるし…でも、ちょっと嬉しかった。尚があんな風に怒るなんて…」
「…そ?…タケ子はさー…俺の恩人なんだ…」
「え?」
「タケ子と同じクラスにならなかったら俺もあんな風に笑ってたかもしんねー…けど、タケ子に会って、お前の生き方に感動した。勇気もらったっていうのかな…」
尚、上着の内ポケットから写真を取り出し私に手渡した。
―……
そこには笑顔のかわいい女の子が写っている。
「かわいい…え?誰?」
「俺の彼女…兼…妹…」
「え?」
「妹だよ、正真正銘。今高一、鈴(りん)っていうんだけど」
「え?妹?」
「そ、ずっと悩んでたんだ。やっぱおかしいだろ妹好きなんて…そんな時タケ子に会って…あ、お前がおかしいとか言ってるんじゃないからな。タケ子は自分を貫いてるだろ?世間体とか、周りの目とか、そういうの関係なく…すげーかっこいいと思ったんだ…だから俺も貫いてみようって思ってさ、告ったの…家族の縁を切るつもりで…」
「…尚…」
「タケ子にも幸せになってほしいんだよ俺は…」
―…言ってみようかな…
「あのね…私さ…」
「何?」
―…ああ…でも…
「何だよ」
「…いるの…」
「は?」
「…たぶんいるのよもう一人」
「は?」
「だから、好きな人がもう一人!!いるの!!たぶん…」
「ハァ?!」
「あっ、いや、あの…」
「ちょっ、誰?!」
「………」
「誰だよっ」
尚、立ち上がり私の肩を揺らす。
「…杏…」
「え?」
「杏!!」
「……」
「……」
「…うおおおー!!やっぱりお前面白い!!」
誰もいない保健室で尚の声が響き、私は尚に言ったことを少し後悔した…


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