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男子高校生 斎藤正幸
【学園物 官能小説】

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男子高校生 斎藤正幸-5

電車が目的の駅に着き、正幸と綾香はやっと窮屈な場所から開放された。
電車を出ると、はぐれてしまっていた秋江ともすぐに合流できた。
川沿いを歩いて花火の見えるポイントまで行き、そこに正幸が持ってきたビニールシートを敷いてそこに三人で座って花火を見た。

ドーン!ドーン!
花火が上がるのを見て綾香は目をキラキラさせていた。
「正幸君!今の見てた?花火ハート型だったよ!」
「あ、う、うん、ほんとだね」
綾香はきれいな花火に珍しくはしゃいでるようだった。
正幸は綾香の方ばかり見ていて花火など、あまり見ていなかった。

花火大会も終盤にかかっていたが、綾香の門限があったため、三人は電車に乗り自分たちの街に向かった。
「行きと比べたらすごい空いてるね、少し早く帰るほうが正解ね」
秋江の言うとおり帰りの電車は空いていた、行きと同じようなことを期待していた正幸は少しがっかりした。
「花火きれいだったね、正幸君。あ!ここからも少し見えるよ!ほら!あれ!」
「うん、きれいだね」
花火にいつもよりテンションが上がってる綾香は余計幼く見えた。
「綾香ったら子供みたいにはしゃいでるわね」
「だって花火好きなんだもん」

地元の駅に着いた。
「じゃあ私こっちだから!正幸はぁ綾香を家まで送ってあげてね!綾香一人じゃ危ないから!」
秋江は正幸の方を見てニコニコしながら言った。
「秋江ちゃんは一人で大丈夫なの?」
心配そうに綾香が言った。
「大丈夫大丈夫!じゃあまたね!バイバイ!」
秋江は正幸に小さな声で
「告白、頑張ってよ」
と言うとササッといなくなってしまった。

残された二人はしばし沈黙していたが正幸が口を開いた。
「じゃあ行こうか、綾香ちゃん」
「うん…」
急に二人きりになって気まずくなってしまったのか会話がなかった。
(あ〜早くしないと…綾香ちゃんの家についちゃう…)
「あ…あのさぁ、きょ、今日は楽しかったね!」
「うん…」
「今日さぁ、なんかカップルいっぱいいたね、花火見ながらキスとかしてるカップルいたよね!あ〜なんかうらやましいなぁ!」
正幸は顔を赤くしてそっぽを向きながら言った。
綾香は少し沈黙してから
「…うん…私も…うらやましいな…」
正幸は綾香の意外なビックリし言葉に黙って考えた。(綾香ちゃん彼氏ほしいってことなのかな…)
二人の足が止まった、もう綾香の家の前まで来てしまったのだ。
正幸は覚悟を決めた。
「あ、じゃあ…お、俺が彼氏に…」
「え?」
「てゆうか!一年前くらいから好きでした!付き合ってください!!」
二人とも顔が真っ赤になった。
少し沈黙してから綾香が口を開いた。
「………ごめんなさい……正幸君は…ずっと友達でいたいかな…」

正幸は胸ハートがバリバリ崩れていくのが聞こえそうだった。
「そ、そっか…ハハッ!ごめん!しょうがないよね…あ、そ、そうだ!綾香ちゃん好きな人いるとか?」
綾香はさらに顔を赤くして頷いた。
「私も…秋江ちゃんにも言ってないんだけど、一年くらい前から好きな人がいるの…」
「え!?あ、そうだったんだ」
冷静を保とうとするが動揺する正幸。
「でも、その人私のことたぶんなんとも思ってないし」
「そ、そんな、綾香ちゃんならきっとうまくいくよ!かわいいし!やさしいし!」
「そんなこと…正幸君やさしいね」
「綾香ちゃんも頑張って!それじゃまたね!今日はありがとう!」
正幸は自分の家の方へ走りだした。
綾香の前で泣いてしまいそうだったのだ。
自分の部屋に着いた正幸は男泣きした。


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