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崩れる日常
【初恋 恋愛小説】

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二人の日常、5-1

今年の今日は非常に楽しみだ。
例年だったら
もしかしたら…みたいな期待をして、その日の終わりには寂しい思いをしていたが…
彼女がいるってことは期待出来るからな。

そんな気分でバイト入り。
「おはようございま〜す」
「おはよう。今日は来るの早いな。」
「今日はコンビニで時間潰さなかったんで。」
「いつもそのせいでギリギリだったのか?
一応間に合ってるからいいものの今度からちゃんと早めに来い。」
「へ〜い。」

店長から愚痴をこぼされる。
今日のメンバーは
内海さん、西村さん、大場さん
そして初登場だが栗原さん。
時間帯的にあまり被る事は少ない。
このスタンドでは栗原さんと千裕しか女性がいないが
栗原さんは既婚者でお子さんもいる。

職場でしか出会いがない
ここの男どもも飢えるわけだ…

「斎藤君、今年もよろしくね。」

栗原さんから手渡されたかわいらしい模様の小包。

「ありがとうです。ちゃんとお返ししますんで、忘れてたら言ってください。」
「いや、忘れないでよ。
こっちからなんて言えるわけないし。」
内「いや〜、忘れない方がいいぞ史一。さりげなくグチグチ言われそうだからな〜。」
「内海君?それどうゆう意味?」
「いや、俺も忘れないように自己確認みたいな…」

和気あいあいといつも通りのやり取りをしている内海さんの手にも俺が貰ったものと同じ小包。
てか皆貰ってて、まだ渡してない人達の分であろう小包もテーブルの上に置かれている。


今日は二月十四日。
バレンタインデーだ。

今日は千裕も1時間遅れでシフトが入っている。

…早く来ねえかなぁ。




遡る事数日。
ドライブ中に突然切り出してきた。

「もうすぐバレンタインかぁ。」
「そういやそうだね。…なんか憂鬱そうだね?」
「バイト先の皆にもやっぱ必要かなぁとか思って。」
「贈ったほういいんじゃない?」
「栗原さんと色々話したけど、やっぱり贈ってるみたい。値段の話とかもして、結構人数いるじゃない?
今月結構ピンチなんだよねぇ。」
「義理なんだし二、三百円ぐらいか?」
「何人ぐらいいたっけ?」
「8、9人かな…?」
「自分も数えた?」
「…え?ちょ…俺も義理?」
「当日のお楽しみ〜。」
「…期待しといていいんだよな?」
「だから当日のお楽しみだって。」
「………。」

若干不敵な笑みを浮かべる千裕の隣で
今年こそはと期待していた俺は期待半分不安半分になっていた…



不安になる事を思い出してしまった…

やっぱバイトの後会えりゃいいや…
ゆっくり準備してくるんだぞ千裕。

…しかし


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