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『Beast of Prey』
【痴漢/痴女 官能小説】

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『Beast of Prey』-3

夢の中でよく知った駅名のアナウンスが流れる。ハッと目を覚ました。
夢ではない。千鶴の降りる駅に電車は停まっていて、開かれたそのドアは今にも閉まろうとしていた。
眠りがもう少し深かったら、危うく乗り越すところだった。
慌てて下りる。
同じく降りたサラリーマン風の男が肩を叩いた。
「はい?」
「これ、落としましたよ」
男が差し出したのは千鶴の財布だった。
「うわ!あ、ありがとうございます」
慌てて会釈し、受け取る。
その男は三十代中盤で小肥りの体型だった。
「あのっ、わざわざ降りてくれたんですか?」
電車が行った後ではっとする。
「いえ。僕もちょうど下りる駅でしたから」
男はにこやかに微笑む。
−落とすようなとこに置いてたのかなぁ。
財布をバッグに仕舞いながら考える。
「学生さんですか?もう暗いし、危ないですよ。送っていきましょう」
「いえ。近くですから」
「では途中までご一緒しますよ」
半ば強引な男の申し出を断ることは出来なかった。
アパートまでは十分。
歩き慣れた道ではあるが、暗闇は不安を伴う。千鶴は男と家路を共にすることにした。
−こんなぼやーってしてそうな人がなんかしそうには見えないし…。
男はニコニコと微笑みを絶やさない。
千鶴のアバートより先にある住宅街の住民だろうか。
独身なのか既婚者なのか。
色んな疑問が頭に浮かんだが、初対面の人間にあれこれ聞くのは失礼だろう、と千鶴は思った。しかし、話す材料もないと沈黙が訪れる。なんだか気まずい雰囲気だ。
そんな千鶴の気持ちを汲み取ったのか、男の方から話し掛けてきた。
「大学生かい?」
「はい。そうです」
「いいねぇ。俺も君くらいの年に戻りたいよ」
羨むような口調だが、その顔は綻(ほころ)んでいる。
「そんなお歳でもないんでしょう?」
「いやいや、社会人ともなると気苦労も増えて、一気に老け込む感じだよ」
「充分お若いですよ」
本当はいくつなんだろうと問い掛けたかったが、止めた。
「君みたいな若い子にそう言ってもらえるとうれしいねぇ」
公園が見えて来た。
ここを横切ると千鶴のアパートへの近道となる。男も並んで公園に入る。
−この人も通り道なのかなぁ?
「19はまだまだこれからだもんなぁ」
男が口にした数字は自分の年齢を指していると気付くと、急に違和感を覚えた。
−あたし、自分の年なんか言ってない…。
はっと隣の男を見る。
暗がりだが、相変わらず笑っているのが分かる。しかし、暗闇の中での微笑はどこか嘘寒く感じた。
がしっと腕を掴まれた。
「ストッキングは脱いだんだね」
一瞬、何のことだか分からなかった。が、今朝の出来事を思い出した。電車から下りて学校へ着くと、トイレで脱ぎ捨てた破れたストッキング−。
「あ…!」
逃げなきゃ、頭にはそう浮かんだが、男の力は強かった。それ以前に恐怖で体に力が入らない。
「もしかして、今朝の痴漢は」
口にすると恐怖が増した。
「帰りも会えると思わなかったよ、千鶴ちゃん」
心臓を針で指すような感覚が襲った。
「名前、どして…」
「寝顔も可愛いんだねぇ」
こんな時にどうして冷静に思考できるのか。
男は電車で千鶴が眠っている隙をついて、財布を抜き取り、学生証でも盗み見たに違いない。
「やっ…!誰かっ…」
千鶴の叫びを男の手が制する。
そのまま茂みへ連れ込むと、力を駆使して、いとも簡単に千鶴のショーツを引きはがし、口へ詰め込んだ。
「ンーッ!んぅっ!」
千鶴の体を仰向けに転がし、右手で頭の上に千鶴の両手を押さえつけた。その動きは体型からは考えられない程機敏だった。
「おっさんたちに触られて感じてたんだろうが、この淫乱が」
千鶴の体に跨がる。
その低い声は確かに朝聞いたものと同じだった。
「誰でもいいんだよな、千鶴ちゃんは。え?毎朝俺が触ってもオ○ンコ、ぬるぬるにしてたモンなぁ。あぁ!?」
突然の激しい口調に怯えることしか出来なかった。
「いいのか?このまま犯られても。知らない男のチ○ポねじこまれてもいいのかよ」
笑いを漏らしながら、左手で服を脱がしにかかっている。
「うーっ!んぐぅっ!」
男の言葉を聞いた千鶴は激しく抵抗した。しかし、男の体はびくともしない。明らかに挑発している。
悔しさで涙が溢れた。
男はお構いなしにシャツを捲くり上げ、ブラを力任せに引き千切る。
「んぅうっ!」
「へへ…、ホーラ出て来たぜ」
指が乳房を掴み上げるように摩っている。まるで毛虫が這っているかのような感覚。


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