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Forced Smile
【青春 恋愛小説】

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Serene Smile〜穏やかな微笑み〜-2

「う〜ん、そうだなぁ好きな人がいないからかな。」
あぁ、なんとなく分かる
「はぁ、なんだよそれ?」
「だってさ、好きでもない人と付き合っても長続きしないだろ?」
うん
「まぁ、そうかもな」
「だろ?それに好きな人ならともかく、好きでもない人と付き合って誕生日とかいろいろ面倒そうだし。」
やっぱり
「あぁ、まぁそうだな、」
「そんなことよりさ、前にお前が言ってたグループの曲聞いたよ。」
それでその話は終わっていた。

結局あの会話でわかったことは彼が他の子と付き合う気がないってことだけ、
でも私にはそれだけで十分、だって少しは安心できたから。

その日のお昼休み、私は友達と話をしていた。
「隣のクラスの加藤さん、また告白されたんだって、断ったらしいけど」
加藤さんとは、隣のクラスにいる可愛くて人当たりも良い女の子、らしい。
「そうなんだ。」
「よくモテるわよね、ウワサだと彼女、澤田君のこと狙ってるらしいのよ!」
え?
「そうなの?」
声震えてないかな?
「さすがの澤田君でもあんな子に告白されたらOKしちゃうかもね!」
私はさっきの安心した気持ちなど吹き飛び動揺してしまった、
動揺を必死に隠していた、その時、彼が教室に戻ってきて近くにある彼の席に座ったの。
「ねぇ、由美ちゃんは好きな人いないの?」
ここでいるなんて言って彼に聞かれちゃったらどうしよう・・・
「いないよ。」
ウソついちゃった。
「えぇ、いないの?由美ちゃんカワイイんだから告白したら絶対OKしてもらえそうなのに、もったいないよ!」
彼はあの人みたいに単純じゃないから無理よ、それに・・・
「別に、可愛くないよ。それに無愛想だし。」
それに私なんて無愛想だから彼の心の中にはきっとかけらもいない
「なに言ってるの、由美ちゃんはカワイイよ!それにそのクールな感じもきっとポイント高いよ!」
クール?
「私はクールなんかじゃないよ」
私はクールになんて思われたくない、私もみんなみたいに、笑いながらお喋りしたい。
私は小さく「ゴメン、用事あったの」とだけ伝えてその場から逃げる様に立ち去った。

その日の放課後、私は下校途中によく寄る本屋に立ち寄った。
前から読みたかった本を探している時、なにかすごい見られてるような感じがした。
私がその視線を感じた方を見てみると、そこには彼がこっちを見ていた。
彼と目が合った瞬間、私はつい目を逸らしてしまった。
でも、ここで逃げたらダメ!と自分を勇気付けてまた彼を見つめた、
また彼と目が合ったが今度は逸らさないで見つめる事ができた。
すると彼はこっちに向かって歩み寄ってきた、
だから私も彼の方に近づいていった。
そして私たちは同時に立ち止まった、
私は何か言わなきゃって思い、からからに乾いた喉を震わして
「「あの・・・」」
と言うと彼も同時に口を開いていた。
彼は驚いたようで間の抜けた顔をしている、
私は彼でもそんな顔するんだと思うと途端におかしくなって、クスクスと笑ってしまった。
そうしたら彼は一瞬驚いたみたいだけど、すぐに一緒に微笑んでくれた。
穏やかな笑顔で、ね。

Serene Smile・fin


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