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Forced Smile
【青春 恋愛小説】

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True Smile〜本当の笑顔〜-2

オレは自分の作り笑いが嫌いだ。
最近、無意識でそれが出てる事に気付いた時、オレはショックを受けた。
オレはあまり自分の本心を出さない、
オレには本当の自分を出せる人がいるだろうか?
正直言って、いない。
オレは本当の自分を出すのが怖いんだ。
もしそれをだして周りの人に嫌われたらどうしよう、そんな事を考えてしまう臆病物だ。
オレは望んでいた、本当の自分でいられる人が欲しい、と。

彼女はいつも本当の自分で生きている。
最初は無愛想だなって思っていたけど、その気持ちは間違っていた。
オレは彼女が羨ましかったんだ。
オレも彼女のようになりたかった。
だから、オレは彼女の事を目で追うようになってしまった。
見ていて気付いたんだが、彼女はとても優しい人だった、
人が嫌がることも進んで自分からやるし、困っている人がいれば助けてあげる。
彼女のそんなところを見てオレの気持ちは、どんどん惹かれていった。
そしてオレは彼女に恋をした。

彼女の名前は橘由美。
同じクラスだけど、話したことはまだなかった。
彼女はあまり自分から人に話しかけるような人じゃないし、オレには話しかける勇気がなかった。
オレは話したいとやきもきしていた。

そんなある日、オレは彼女が友達と話しているのを聞いてしまった。
「ねぇ、由美ちゃんは好きな人いないの?」
オレはその言葉を聞いた瞬間、彼女の答えが気になってその場から動けなくなってしまった
「いないよ。」
いないんだ、安心したような残念なような、話したことないんだから当然だよな。
「えぇ、いないの?由美ちゃんカワイイんだから告白したら絶対OKしてもらえそうなのに、もったいないよ!」
あぁ、アイツみたいのがいるからな。
「別に、可愛くないよ。それに無愛想だし。」
いや、綺麗だよ。
「なに言ってるの、由美ちゃんはカワイイよ!それにそのクールな感じもきっとポイント高いよ!」
クールってのとは違うような・・・
「私はクールなんかじゃないよ」
そう言って、彼女は突然立ち上がり行ってしまった。
とても悲しそうな顔をしながら。

その日の放課後、オレは学校帰りに本屋に寄っていた。
目当ての本を探すため、本屋の中を歩き回っている時、
偶然にも彼女を見つけたんだ。
オレの鼓動は一気に加速した、
彼女は本を探すのに夢中で、オレには全く気付かないようだった。
しかし、不意に彼女がこっちを向いたんだ。そして彼女もオレに気付いた。
二人の視線が一瞬重なりあい、そしてすぐに外された。
恥ずかしさに負けたオレが視線を逸らしてしまったからだ。
オレはここで話しかけなかったら、絶対後悔する!!と自分を鼓舞した、そしてまた彼女を見つめた、
また目が合ったが今度は逸らさなかった。
そして彼女に近づいていった。
そしたら彼女もこちらに向かって歩み寄ってきた、そしてオレたちは向かい合うように立った。
オレはうるさい鼓動の音を無視して口を開いた
「「あの・・・」」
そうしたら彼女も同時に口を開いていた。
オレは驚き呆然としていると、彼女は突然クスクスと笑い出したんだ。
オレは一瞬途方にくれたが、目の前であの笑顔を見れた嬉しさでオレも同じように笑ったんだ、
本当の笑顔で、ね。

True Smile・fin


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