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人妻奈岐
【熟女/人妻 官能小説】

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オナニー-1

 傷心の奈岐の枕元にそれからもときどき夢に啓介ではない男があらわれて奈岐の身体を愛してくれた。逝く時もあったし、そこまででないときもあった。ただ、奈岐のエロスへの興味は高まる一方でふとした瞬間に、暗い夜道で逞しい男に襲われたい、素敵なホテルで綺麗な街並みを眺めながら頼りになる男に一日、身体を愛でてもらいたい、というような妄想をするようになった。
 奈岐はその年三十歳になり、啓介のセックスが頻度でも落ちてきて、身体が何かを欲していると気付くことが多くなった。そしてたまたま啓介が出張で留守になった週末、奈岐は女性用のエロサイトでAVを観ていたとき、自分でも不思議なくらい自然に、手が乳首に、さらにもう一つの手がクリトリスに行って指がまた自然に細かく動いていくことに気付いた。クリトリスに行った指は最初ゆっくりそこを押して気持ち良くなっていったが、続けているうちに今度も自然にいつの間にかショーツを脱ぎ捨てて、濡れて愛液の溢れ出たあそこから粘調な湿り気を掬ってクリトリスに擦りつけていった。粘液をまとったクリトリスは堪らなく気持ち良く、一定のリズムで擦り続けているうちに、男に犯されているような気がしてきてクリトリスを少し強くいじめるようにして快感を増していった。そのうちにイメージは昂進し、いつも啓介に厳しい義父が自分を犯している声が聞こえてきて逝きそうになってきた、そしてどんどん快感は増し、ついに義父にそのモノを強引に挿入されて嫌が応にも濡れていく自分に我を忘れいつの間にかイメージは、奈岐が義父にピストンされて絶頂へと導かれていくのだった。
 その時初めて知ったオナニーを、奈岐は繰り返すようになった。時にAVを観て時に官能小説を読んで、そして時には一人部長に犯されるイメージや、中年の魅力を発していた取引先の重役との睦言を想像して。
啓介はもちろん回数は減ったものの奈岐を抱く習慣はもち続けていた。だから結婚して十年になり奈岐が三十三歳になっても啓介とのセックスは通常の夫婦と違わず続いていたのである、レスではなかった。ただ違うのは、奈岐がそれと同じくらいの頻度で創造力たくましくオナニーをするということだった。
 
 義父は、奈岐にとって悪くない男だった。啓介と結婚する時になり、家族を紹介されて初めて人となりを知ることになったが、啓介より逞しくまた年のわりに若々しく、俗にいう苦み走ったというタイプの男性だった。奈岐が「男性だった」と感じたのは取りも直さず「男」を感じたのだった。だいたいにおいて年上の頼りになる男性に身をまかせてみたいと無意識の意識が奈岐にはある。その無意識の意識が奈岐の愛らしさでもあるのを気付いていたのは啓介だったが、ときどき実家を訪れ、義父母との交流を通して奈岐自身も義父の啓一に男を感じるように成ってきていたのはまだ“その元気”がある啓一にも敏感にそれとなく伝わり、奈岐と義父の啓一のお互いの間だけに意識的に周りが気付かぬ、ほんのわずかにだが伝え合っているものがあった。
 もちろんお互いが節度を持っていることも理解し合っており、絶対にそういうことにならない、超えてはならない線があることは奈岐も承知していた。啓一の本音はわからなかったが、露骨には語らない義母の言葉を逞しく想像すると、啓一には外に女性がいたことが有ったらしく、そういうものはけじめをつけて外ですべきものとの考え方があるように思えた。
 
 しかし、想像の上では奈岐の方が発展家だった。義父の逞しく頼りがいのある男をオナニーの世界に持ち込むことは一人家での時間に限れば安心であり、禁忌があるだけに快感も増すことがあるのもこれはその世界の法則でもある。
 奈岐の想像は、一人の時に飛躍し、官能の喜びを巻き起こしていく。それはAVを見るだけでなく、その種の小説のこともあり、かつて観たり読んだりしたものを思い出してストーリを再編して、手と指で自らを慰めていくものだった。
 啓介のいないある春の土曜、それまで溜まっていたストレスとムラムラを一人で伸び伸びと想像逞しく過ごすことにしていた昼食後のことだった。義父から電話がかかって来て啓介が留守であることから奈岐も義父に合わせて少し世間話や久しぶりに近況を話し、少し長電話になった。奈岐はもちろん誤解をされないよう十分注意した上で、もともとそういう気分でいたため少し義父の言葉を引き出すようにして、オナニーのストーリーのとっかかりを作るように話をした。その間奈岐はクリトリスをさわっていた。
気を付けた上で電話は終えたが、それからは奈岐のオナニーの時間であった。
 義父の男らしい身体の中で奈岐の好きだったのは、血管の浮き出た逞しい手だった。その手を想像してオナニーをしたかった。ベッドに寝て奈岐は想像を始めていた。
 
 奈岐が啓介のいない住まいで掃除をしていると、なぜか用事があったと義父が突然訪ねてきた。
「奈岐さん、今日はいつに増して綺麗だね。ここまで歩いてきて疲れたから、少し綺麗な女盛りの奈岐さんを観ながら休ませてもらうよ」
「やだわあー、お義父さん、そんなお世辞言わないでください。だめですよ、今日はなにも用意してませんから、お酒もおいてませんよ」
と他愛のない話しとは明らかに違う一歩踏み込んだ会話が義父から飛び出して、奈岐は少し狼狽えていた。
「いや、奈岐さんだけいれば結構だよ、は、は、はははー」と啓一は笑っていた。
 あっちの部屋、こっちの部屋と奈岐が掃除機を回しているうちに、啓一がわざと見える位置にきていた。そしていつの間にかすぐそばに立っていた。



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