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俺だけの最強彼女
【青春 恋愛小説】

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俺だけの最強彼女A-1

それは咲希の誕生日が1週間後にせまったある日のこと。
「ごめん咲希、今日一緒に帰れないんだ。」
「え?なんで?」
「ちょっと用事があって。あ、ごめん急ぐから!じゃぁね!」
「ちょっ…拓真?」
「珍しいね、千葉君が咲希置いて帰るなんて」
「う、ん…」
咲希は何か釈然としないものを感じていた。

帰り道、駅前のマックの前を通った時に咲希は信じられないものを目にした。
拓真が女子高生くらいの可愛い女の子と二人で楽しげに話していたのだ。
(拓真?うそ?)
しばらくすると二人は店から出てきた。
咲希がとっさに物陰に隠れると二人は近くのデパートに入っていく。
咲希もその後を追った。
それから2人はネックレスらしき物を買い、近くのファミレスで食事をして駅で別れた。
途中転けそうになる女の子を助ける場面もありそれは更に咲希の怒りを増長させた。

次の日。
朝から咲希の機嫌はかなり悪かった。
普段なら笑って仲間に入る友達の輪も今日は笑うのさえ苦痛でしかない。
(あいつ…私がいながら浮気するなんて!拓真のくせにっ!)
しかし怒りは次第に悲しみに変わってきた。
(私捨てられるのかなぁ…ワガママばっかり言ってたから愛想尽かされたのかなぁ)
ワガママだという自覚はあったらしい。
「はぁ…」
物憂げな表情でため息をつく咲希の姿にクラスの男子の大半が前かがみでトイレに走った。

昨日のことがあり咲希はとても拓真と話す気にはなれず一日中拓真を避けて過ごした。
昼休みは保健室にいき放課後は終わるとすぐに学校を出た。
次の日もその次の日もそうした。
拓真からの電話はとらずメールは読まずに消去した。
拓真が心配してるのは友達から聞いて知っていたが、会うと別れを告げられそうで恐くて顔を合わせられなかった。
2人はクラスが違ったので気を付ければ廊下で会うなんて事もなかったのだ。

しかし拓真はなぜ咲希に避けられるのかわからなかった。
いつものワガママかと思いしばらくそっとしといたがどうも様子がおかしい。
いつもなら怒りのメールなり電話なりがあるはずなのに…。
そんな咲希の故意的なすれ違い生活が3日目に突入した日、さすが心配になった拓真は放課後咲希の家へと向かった。

ピンポーン
「…はい。」
沈んだ声で暗い顔した咲希が出てくる。
「咲希…?」
拓真の顔を見た途端咲希はドアを閉めようとする。
「待って!」
寸でのとこでドアを掴み閉じるのを阻止する。
「話がしたい!咲希、お願いだから逃げないで」
かすかに開いたドアの向こうで咲希が泣いている気配がする。
と、ドアを引く力が少し抜けた。
拓真は玄関の中に入り咲希を抱き締めた。
「咲希…」
「ぃやっ…」
腕に力をいれて押しのけようとする咲希をグッと抱き直す。
「う、ぅわーーん!!」
咲希は拓真にしがみつき泣きだしてしまった。


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