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白い悪魔
【ファンタジー 官能小説】

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白い悪魔-4

「以前は、ちょっとした容姿を持っていると、町の片隅でいたずらやレイプをされることがありました。目立つと狙われたのです。

―――路地裏へ連れて行かれそのまま犯されます 逃げようにも体力のない女ではどうしようもありません。
通行人がいないわけでもありません、みんな見ないふりをして通り過ぎていきます。
中には離れたところからずっと覗いているやつもいます。
ことがすんで放り出されると、それを待って金目のものを持っていくやつまでいます。
ひどく抵抗しなければ、命を取られるようなことはありませんでした。レイプとはここら辺では立ち小便くらいのことだったのです。
この町では、「される方が誘うような格好をしているのが悪いんだ」と、ののしられました。
「忙しいんだ」 警察も殺人以外は犯罪として捜査などする気は持っていないようでした。
時にはそれでさえ自殺として処理してしまうぐらいです。
そして、ここの社会の中で、何度か襲われるくらいには美しく、町から出て行くだけの能力を持たない女は、汚され、見下される存在でした。生きて行くためには力を持つしかありませんでした。
それを簡単に得るための方法は、既存の大きな力の中に入り込んでいくことです。
結局こういうときに素早く確実に当てになるのは悪い力でした。
やり方は簡単です。夜の女を捕まえて一回分の金を払って、教えてもらうだけでした。
女は喜んで教えてくれます、紹介料ももらえるからです。
これでその女はレイプされることはなくなりました。
それは既にレイプではなく、商売だからです。
そして胸元のタトゥーを見せつけてやります。それで自分が商品であり、だれのものであるかがはっきりとわかります。
「さあ来なさい、私をだかせてあげるわ」
こんなことをいつまでも続けていられると思っていません、でもそれでいいのです。
そのうちドラッグ漬けになって、病気をうつされ、そんなに長くは生きていられないかもしれません。
どうでもいい。それまでの間、おもしろおかしく騒いでやる。
そんな空気がよどんでいました―――

「でも今では、ご主人様も時々散歩に出られます」 メイドは本当にうれしそうでした。
≪こんな魔もいるんだ≫ 人を殺すやつばかりと思っていました。
「すみません、お時間を取らせてしまいました」その子は行ってしまいました。
≪何しに来たんだろう、暇つぶし?≫ 最初の押し殺した殺意は気になります。でも別れる時にそんなものはありませんでした。
それで気にすることはやめました。
でもいい情報です、治安の悪かった町が急に変わったのです。いつから、だれが、それが次の疑問でした。歩き回ったからこそのネタでした。あたしも名探偵になれそうです。
そうしている間にナミが出所してきていました。送り出す時の、看守のあのセリフ「もう戻って来るんじゃないぞ」が、生で聞けなかったのが残念でした。
ナミがシャワーを浴びている間に、アッチにそうささやくと、「投獄されたわけではありませんよ」笑って言います。「それに、時間がかかったのは警察内部を探るためです」
「そうなんだ。今までの悪行がばれたんじゃなかったんだ。で、何を探ったの」
「この町は半年ほど前から変わりました」
≪それって、あたしの疑問のひとつなのに≫ 簡単に解決してしまいます。
「女が現れた後に悪人が消えるというだけで、他では一切目撃情報が出てこないわ」ナミはあたしの注文したものを、勝手に口の中に消します。


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