藁の匂いに惹かれて第2話-14
「お、お願い。ウィンセント・・・」
「・・・・・ん?」
「欲しい・・・貴方が欲しいの!!」
感極まったティファの口から発せられたのは、
目の前の男を求める本能的な叫び。
理性の壁を自ら突き崩して恋人ではない男と1つになろうとする懇願であり願望であった。
「分かった」
まるで待ち構えていたかのようにティファの叫びを受け止めたウィンセントが、体を起こして膝から上体をティファの眼前に晒す。
鍛えられた筋肉の造形物の下方、
そこにはかつて1度ティファの中に入ったことのある常人離れした肉棒が天に向かって弓なりに反り返っていた。
――――――ハァ、ハァ、ハァ・・・・・
無意識にもティファの呼吸がだんだん荒くなってくる。
唇を閉じようとするが、思わず唇の間から赤い舌が見え隠れする。
細身の体のものとは思えぬ太さ。
青みがかった太い血管が巻き付くようにして浮き上がり、
それらがウィンセント自身の興奮と忍耐を象徴しているかねように、
微かに跳ねている。
2人にとって、これから始まることが今まで待ち望んでいたことなのは明らかだった。