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こいびとは小学2年生
【ロリ 官能小説】

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勃起制御-5


 制服の胸のスカーフをいじりながら柚希ちゃんが言った。さくら太平洋航空の客室乗務員の制服は、ちょっとクラシックな、1960年代のアメリカの航空会社のようなデザインで、さくら色の生地にパロットグリーンのスカーフをあしらったカラーリングになっていて、これは機体の塗装と同じ色合いになっている。南国出身らしく日焼けした肌の柚希ちゃんに、さくら色の制服がよく似合っている。

「宮古の小学校って、転校生多いんですか?」

「ああー、最近増えましたね。移住者の方が多いから、どのクラスにもひとりかふたり、転校生がいるみたいです」

 そう言って柚希ちゃんは、俺の方を向いたまま小さく首を傾げた。

「どなたか宮古島に引っ越されるんですか?」

「あ、や、……まあ、知ってる人が引っ越すかもしれないんですけど、その人に小2の子供がいて」

「せんぱいのお友達ですか?」

 柚希ちゃんは俺のことを「せんぱい」と呼ぶ。柚希ちゃんが新人CAだったころに機内で清掃作業の段取りを教えていたらチーフさんがふざけて「せんぱいの言うことをちゃんと聞かなきゃねー」と言ったのをきっかけに、名字で呼ぶのと「せんぱい」と呼ぶのとが半々になり、ここ最近はほぼ「せんぱい」で定着している。まあ、あだ名みたいなもんだ。

「まあ、うん、そんな感じで……もし転校したらうまく溶け込めるかな、と思って」

「ぜんぜん大丈夫ですよ、宮古の子たちって基本的に社交的な子が多いし、移住者さん増えてるから慣れてきてると思います。特に町の学校なら、心配することはなんにもないですよ」

「くわしいですね」

「私、年の離れた妹がいるんです。いま小3で、妹のクラスにも東京とか名古屋から引っ越してきた子がいて、名古屋の子は妹と友達になって実家に遊びに来たりしてますよ」

 小3の妹。柚希ちゃんの妹ならかわいいだろうな。いや何を考えてるんだ俺、女児や匂いに関係したらすぐに自分の性欲に直結させるの、いい加減に制御しなきゃいけないな。

「せんぱいのお友達のお子さんと私の妹、同じ学校になったらいいですね。そしたら妹が新しい友達になりますから」

 にっこり笑う柚希ちゃんの口元から軽く覗く歯茎と、ふわ、と漂う息臭。いつもなら遠慮なく勃起しているところだけど、いま宮古の転校事情を聞いたのはしのちゃんの「保護者」のひとりとしての立場からだ。それに制御するクセをつけておかないと、いつまでたっても「良質な射精生活」を達成できなくなる。素人童貞のまだ敏感な俺の仮性包茎、ここが踏ん張りどころだ。

「じゃあ、友達には伝えておきます。宮古への引っ越し、柚希ちゃんの妹が待ってるから何も心配することはない、って」

 あはは、と笑う柚希ちゃんの温かい息が、経費削減でGPU(航空機が地上駐機中に電力を地上から供給する装置)がつながってなく暖房が入っていない機内の空気で張り詰めた俺の頬の皮膚や肉を柔らかくほぐしていくような、そんな感覚があった。同時に鼻腔を漂う柚希ちゃん臭い息臭、ん、でも勃起中枢が制御されて海綿体に血が流れ込まない。よしよし、頑張れ俺の仮性包茎。
 左耳のイヤホンから、パーツが届いた旨を知らせる無線の声が流れる。

「パーツ着いたみたいです」

「あ、じゃあスタンバイしないといけないですね、サボってると思われちゃう」

 笑いながら立ち上がりかけた柚希ちゃんの顔が一瞬俺の顔の至近距離を通過する。湿った息がさらにダイレクトに顔に届き、目線のすぐ先、マクロレンズでないとピントが合わないような至近距離を柚希ちゃんの唇と前歯と歯茎が通過する。その一瞬を1/400くらいのシャッター速度で目に焼き付け、柚希ちゃん臭い匂いを鼻腔に閉じ込める。うう、勃起はしないまでも、こうやってオナペットにできそうな事象を瞬間的に取り込む本能、これはまだまだ抑圧できそうにないな。狭い通路を機首の方へ歩いていく柚希ちゃんの、さくら色の制服に包まれたちょっとボリューミーなお尻を見ながら、俺はさおりさんのような小さなため息をついていた。


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