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こいびとは小学2年生
【ロリ 官能小説】

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クリスマスイブ序章 〜小学2年生の「こいびと」との性夜〜-1


 エスカレーターがこここ、と俺達を二階から三階へ運び、降り口の向こうに巨大なクリスマスツリーの姿が見えた瞬間、わあ、と声を上げたしのちゃんは俺の手をぶん、と離しダッシュで駆けていった。転ぶなよ、と思いながら大股歩きでその後を追う。
 クリスマスイブのミラモールは家族連れで賑わい、店内は緑と赤のデコレーションで彩られ、BGMはクリスマス関連の曲一辺倒だ。イベント広場にセットされた高さ五メートルはありそうなでかいクリスマスツリーには、電飾だのモールだのぬいぐるみだの、子供が喜びそうな飾り付けがふんだんに施され、そのきらびやかな光景を見上げるしのちゃんの笑顔はツリーの電飾よりも明るく輝いている。

「ねえ、見て見て、あそこにハチワレちゃんがいるー。かわいい」

 最近ちいかわにハマり始め、スーパーで買ってきたなんでもない普通のヨーグルトを「むちゃうまヨーグルト」とか呼びはじめたしのちゃんが、ツリーのかなり上のほうにぶらさがってるハチワレのでかいぬいぐるみを指差す。赤いモールをたすきのように纏ったハチワレのぬいぐるみ。やばい、あとでクレーンゲームコーナーに拉致されて強引に出費を迫られるフラグだなこれ。今日はそれが目的だからいいけれど。
 宮古島のお店を引き継ぐ決心をしたさおりさんが具体的な打ち合わせをするために再度宮古島に向かうのを空港で見送り、仕事が終わると小学校からいったん帰っていたしのちゃんを連れてミラモールに来た。クリスマスと俺の休みと土日とがうまく重なり、イブの土曜日に「こいびと」とショッピングに来てそのままお泊り、という、俺の人生に訪れることがあるなんて想像もしていなかったイベントがついに実施されることになった。今日が休みで明日は出勤する琴美からは昨日「あんたがクリスマスに休んだって意味ないじゃん、シフト変わってよ」と真顔で言われたけれど、しのちゃんと過ごすクリスマスを譲るわけにはいかない。

「お兄ちゃんこっちこっち」

 しのちゃんが俺の左手を掴む。連行された先は前にお菓子なんかを買ったバラエティショップだ。店内は完全にクリスマス一色で、彼氏や親を連れた女の子ホイホイ状態になっていた。目を輝かせてちいかわコラボ商品を品定めし始めたしのちゃんの隣で、俺は反対側の隣ですみっコぐらしグッズを手に取りながらあれこれおしゃべりしている小4くらいの二人連れの女の子の匂いをちょっとだけ楽しむ。二次性徴が始まりかけた小学校中学年の女の子のまだちょっと硬い体臭と、俺のすぐ前にある棚に手を伸ばしながら「ねーこっちのもちもちクッション、ちょーかわいいよ」と言っている丸顔の子の唾液臭強めの息臭が、今夜はしのちゃんがお泊りしに来ることでただでさえロリ性欲に敏感になっている俺のおちんちんの動脈血管を広げる。ベンチコートを着ていてよかった、勃起しても気づかれにくい。

「どっちがいいと思う?」

 くいくい、と、しのちゃんがベンチコートの左袖を引っ張って我にかえる。斜めにディスプレイされた陳列棚に置かれた、ハチワレのペンケースとポーチを交互に指さしながらしのちゃんが俺を見上げる。「思う?」の「う」の形のまま尖らせた唇が、本人にその気はまったくないだろうけど妙にあざとかわいい。

「うーん。いま使ってるペンケースって、あのピンク色のやつだよね?」

「そう」

「あれ、まだ新しいんじゃない?やっぱポーチのほうが」

 一瞬言葉が止まったのは、ペンケースよりも想定外に高い値札がぶら下がっていることに気づいたからだ。いや、そんなセコいことは言ってられない。これは、俺にとって記念すべき、生まれて初めて「こいびと」に贈るクリスマスプレゼントなんだからな。

「……、うん、ポーチのほうがいいと思うよ」

「うん!じゃあ、あたしこのブルーのポーチがいい」

 両手で抱えるようにポーチを持ったしのちゃんが、俺を見上げたままにへ、と笑う。「こいびと」のかわいい笑顔。それを見つめる俺の眼差しは、もちろん「彼氏」のものでもあるけれども傍から見たら保護者のそれにも見えたかもしれない。
 クリスマスプレゼントなので、レジでラッピングをお願いする。お時間いただいてまして、と恐縮する麻衣ちゃんくらいの年齢の店員さんに、三十分くらいしたらまた来ますから、と伝えていったんバラエティショップを出る。しのちゃんにも増して俺が上機嫌なのは、「こいびと」にクリスマスプレゼントを買った、という幸福的高揚感と、麻衣ちゃんくらいの年齢でちょっと欅坂っぽい雰囲気の店員さんの息臭が俺の好みの匂いだったという性的高揚感とに包まれているからだ。俺の左手をきゅ、と握って軽くスキップしながら歩くしのちゃんは、これまでの性愛を通じて俺が「匂いフェチ」なのはなんとなく理解しているとは思うけれど、まさかそれが比較的不特定多数の女の子 ―それも小学生から、条件さえ許せばさおりさんくらいの年齢の年上の女性まで― が対象だとは想像もしていないはずだ。まあ、しのちゃんという「こいびと」がいる今となってはだいぶ抑えてはいるけれど、以前だったら今の店員さんは間違いなく今夜の俺のオナペットになっていただろう。
 しのちゃんは予想どおり、エスカレーターを挟んでフロアの反対側にあるゲームコーナーへ俺を拉致し、ちいかわのやたらでっかいぬいぐるみが並べられたクレーンゲームの前で足を止め、また俺を見上げてえへへー、と笑った。その、まだ生え変わっていない乳歯の混じったちょっとすきっ歯の歯が覗く無邪気な笑顔と、クレーンゲームのコイン投入口に貼られたでかい文字の「500」のステッカーを瞬間風速的に見比べた俺は、もしかしたら多少引きつった笑顔で財布を取り出した。しのちゃん、言っちゃなんだけどクレーンゲームあんまり上手くないんだよな。

「えーなんでー、いまぜったい取れると思ったのにー」


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