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『XXX Friend』
【女性向け 官能小説】

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『XXX LOVER』-1

「俊樹ー、ご飯できたよ」
「おう」
いっぱい食べる俊樹用の、大きめのお皿にピラフを盛る。
そして、自分用のお皿にも盛る。俊樹の部屋には私の物が増えた。
「ピラフだ。うまそ〜」
「具は昨日の残り物だけどね」
笑いながら、二人して食べ始める。
「あのさ……私、コレを食べ終わったら、綾香の家に行ってくる」
唐突に切り出した私に、俊樹は黙って口の中のモノを飲み込むと、私の髪に軽く触れた。
「奈々、一人で大丈夫か?」
「うん。仲直りしに行ってくる。許してくれるか、わからないけど……」
前はほぼ毎日一緒にいた綾香と、この頃、全く会っていない。
当然の罰かもしれない。
こうして、綾香の好きだった俊樹と笑っているのは私なのだから。
「何があっても、俺がいるから」
私が頷くと、俊樹は私の顔にかかった髪をそっとのけて、キスをした。
「ピラフの味がする」
唇を離して、おどける俊樹に私は笑って、愛情を込めて呟いた。
「……バカ」
そんな他愛ないコトで私たちは幸せだった……。

俊樹には大丈夫と言ったものの、私は気が重かった。
綾香が俊樹の話をしてくれたのは私だけだ。
一番信頼していてくれたのに……。許してくれ、と言うのはひどくワガママな気がした。
頭を電車の扉に寄りかからせる。
景色はどんどん流れて、遠くなっていく。
『……お出口は左側です』
車内アナウンスが流れ、私も人波と共に電車を降りる。
綾香の住んでいるところは結構、都会だ。
人の乗り降りもかなりある。
その流れに身を委ねて歩いていく。
改札を抜け、両脇を様々なショップが埋める通りを歩いていた時だった。
私は向こうから丈弘が歩いて来るのを見つけた。
息ができなかった。
目が離せなかった。
丈弘はいつもみたいに左手をポケットに突っ込んで、歩いてきて、そして、私と目が合った。
その時、私はどんな顔をしていたのだろう?
きっと泣き笑いのような、迷子みたいな、困った顔をしていたんだと思う。
私は隣を駆け抜けようとした。
見なかったことにしたかった。
こっちの方向から来たってコトは綾香の家からの帰りというコト。
……認めたくなかった。
「ちょっと待てよ」
逃げようとした私の腕を掴んで、丈弘は私を引き留めた。
「何で逃げるんだよ」
聞いたコトがない低い低い声。
身体がすくんだ。
振り向けなかった。
声がでなかった。
「来いよ」
私の手を握って、歩き出す。私は振り向かされて、引っ張られるように歩き出した。
歩いている間、俊樹は何も言わず、私も何も言えず、ただ歩いた。
こんな時に、繋がれた手が温かくて泣きたくなった。
「……ねぇっ!どこいくのっ」
耐えきれなくなって、声をかける。
「ここ」
「ここって……何……考えてるの?」
ちょっとした裏道に店を構えたソコは……モーテルだった。
「俺たち遊びなんだろ?俺に好きって言ったのも、本気じゃないんだろ?だったら、いいじゃねーか……もう今更、猫被るコトねーよな」
まっすぐに見つめられて、私は思わず瞳をそらした。
「丈弘には、綾香が、いるじゃない。それに……私、俊樹がいる」
「もう自分は慰めてくれる男がいるから、いいってか?ずいぶんだなぁ」
違う違う違う!
叫び出したかった。泣いてすがって、弁解したかった。
「自分が始めたコト、最後まで責任とれよ。……行くぞ」
「…………」
私は黙って手をひかれた。振りほどこうとすれば、できた。
でも、心の奥底で、こんなにも丈弘が私を求めていてくれているコトに、私は喜んでいた。
私は、一歩、踏み出した。
俊樹の顔が思い出せなかった……。

「服、脱げよ」
ベットだけでいっぱいになってしまうような狭い部屋に入ると、そう言って丈弘はベットに腰かけた。
「脱げって……電気……」
「脱げよ。一枚一枚ゆっくり脱がして欲しいなら話は別だが」
かぁっと顔が赤くなるのがわかった。
私は上を脱いで、スカートもストッキングも脱いだ。
脱いでいる間も、丈弘の視線を感じる。何も言わずにただじっと見てる。
「もう、いいでしょう……?」
白い下着姿になった私はそう聞いた。自分から脱げるのは、ソコで限界だった。
「まぁいいか、下着だけってのもエロいよな」
口許だけに冷たい笑みを浮かべる。
「コッチ来いよ」
いつもとは全然違う丈弘に違和感を覚えながらも従う。


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