投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

花狂い
【OL/お姉さん 官能小説】

花狂いの最初へ 花狂い 9 花狂い 11 花狂いの最後へ

盛況な遥の催事-1

山辺が帰りの車中

「あの娘の絵売れますよ 私の趣味は売れない画家を探す事なんですよ
 出張に行っても地方の画廊とか覗くんです」

「私の部屋には何枚か買ったの有るんですが元値の10倍20倍の絵沢山有りますよ」
山辺はと自慢した

「絵なんて良ければ良いんですよ」 と重ねて言い
「お爺ちゃんに取ってお孫さんの絵は一億の価値が有るでしょう
 御大層な御託要りませんよ」

「見る人に自分の心を表現出来る絵は本物ですよ 
 日本の絵画の世界は封建時代そのものですよ偉い殿様と家臣に
 画商が寄り添い 殿様に気に入られれば生活は安泰 
 安泰した絵に心何て何処にあるんでしょうね
 殿様に逆らって筆を置く若い人沢山見ましたからね」

「彼女が言ってたユーチューブどんな物か知らないけど良い事です 
 絵なんて練習すればそれなりの物描けますよ誰だって
 心入れられるかでしょう 
 日本のいや世界の人がネットの絵を見て価値を決めるそれが
 絵画の世界ですよね」 と目を細め楽しそうに話した

山辺は運び込んだ絵に額縁を付け乍ら一枚一枚眺め独り言を言いながら
付箋に値段を書き込み額縁の脇に張りつけていた
催事前日若い男子社員に応援を頼み 
パテーションを並べ山辺の指示に従い飾り付ける絵を見た
男子の一人が

「遥さんの絵見たですね?」

「知ってるの?」 山辺がと聞くと 
友人達の間では有名だと言った 
付けられた値札を見てユーチューブで1万円なのにと呟きながら
指示に従い絵を飾って行く 
一枚の絵の値札に売約済のシールが張られ高島が見ると
山辺が私是気に入ったんで買いますよと笑顔で高島を見た
催事当日店の前に人だかりが出来ていた 
年始の福袋セールでも赤札セールの時よりも多く
入口から建物の角まで開店前には200名を超える人の列が出来ていた 
高島は人の列が催事を目当てとは思わず事務所に入り開店を待った
開店時間が迫り催事場へ向かう 遥が入館証を胸に入って来て
額縁に入った自分の絵を眺め高島に気が付くと

「私の絵に20万何て売れるんですか?」と聞いて来る山辺さんが決めたから
高島が話している時館内放送が開店を告げた 
静かな時は五分で破られ8階のフロアに人が溢れエレベーターから
人が吐きだされてくる
警備担当の野原が部下を連れ人の整理を始めた 
高島も入口に立ち慌てて人の入るのを止め人数制限を始め
野原が応援を呼び人の流れを落ち着かせたとき6階の階段まで
人の列は出来ていた 
催事の担当のレジ係が現れると絵を見ていた人が殺到し
口々に注文を始めるのを聞き高島がレジを落ち着かせ一枚づつ販売を始め 
午前中に展示した絵は完売と成り並んで待っていた客たちは
絵を鑑賞して帰って行った
山辺が言ったでしょうと売約済のシールを見ながらニコニコしながら
今市さん後で部屋に絵取りに行こうと遥に言った
その夜若い社員の協力も有って山辺が額縁に収めた絵を飾りなおし
翌日は前日程では無いが人が途切れる事は無かった
高島がお客様の対応をしている時宣伝部の女子社員が
地方TVの取材が来ると伝えられ午後にカメラと音声を従えキャスターが現れた
高島と二三話をすると 遥に向かい質問しながら絵を映し
お客様にインタビューをする 近隣では無く北海道とか九州の声が聞こえ
高島は思わず絵を見ているお客様を見渡した 
年代的には20代30代が主だが男性女性では男性が少し多いかなと見ていると
年配の主婦があの絵下さいと目の前で購入していく 
その日も売約済の札が室内を賑わせ残りは4枚ぐらいに成っていた
山辺が遥ちゃん家行こうと夕方には車を出し 
画廊で額縁に収めていたその夜地方のTVニュースで催事が流れると
翌日は地元の家族連れが連れだって催事場にやって来た 
一枚の絵の前で3歳位の女の子が父親にせがみ抱き上げられると
熱心に絵を見ていた母親に欲しいとねだり始め
遥が傍により女の子に話しかけたお名前は 女の子がはにかみながら
琴音と言う父親がこれ今持って帰れますかと遥に聞かれ 
琴音ちゃんこの絵好きと尋ねるとうんと答えこの絵楽しそうと答えた
遥はレジからサインペンを持ち壁から絵を外すと琴音ちゃんは何が好きと聞き 
ウサギさんと飛行機パパが何時も飛行機してくれるから
無邪気に答え 
額縁の後ろに飛行機とウサギに手を引かれる女の子を描き
琴音ちゃんへ遥とサインを入れ手提げ袋に入れ父親に渡した
女の子は遥のイラストを見てこれ私と指さし 
両親と手を繋ぎ帰って行った 
山辺が会場を覗き今日も残業だなと嬉しそうに遥の自宅に
追加の絵を取りに向かった 
日曜日午前中は静かな催事場が昼過ぎには来店客の整理に終わり
三時過ぎにすべての絵に売約済が張られ
山辺は夕方から遥の家から持ち帰った絵を額縁に収めていた
そんな中久保山が催事場の盛況を見に来て帰って行った
水曜までの催事期間中に163枚の絵が売れ 
遥には売り上げの85パーセントが支払われ遥はその額に驚いていると 
山辺が思った通りに描きなさい
また機会が有ったら一緒に仕事しようねと遥を送り出し 
もう少し高くても良かったな俺も甘いはと高島に笑いながら言った


花狂いの最初へ 花狂い 9 花狂い 11 花狂いの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前