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銀彩(ぎんだみ)
【SM 官能小説】

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銀彩(ぎんだみ)-5

名前が刻み込まれた銀色の金属で作られた首輪も、銀色の貞操帯もアルジョンテにぴったりと合い、彼は素直にそれらを受け入れ、とても悦んでくれた。首輪は彼がわたしのものだということを示し、貞操帯はペニスを封じ、彼から《不必要な欲望》を削ぎ、わたしに対する《きわめて純粋で無垢な欲望》を喚起するためのものだった。
貞操帯で彼のものを封じる前の夜、わたしは彼のものを十分に楽しんだ。アルジョンテのペニスは形のいい、なめらかで柔らかいもので、肉塊のまわりを覆うものは何もなく、ほどよい太さと根元から続く輪郭は、彫塑のように優雅で、張りのある皮膚は色褪せることなく、薄紅色の薔薇を想わせた。
そもそも彼には艶やかな黒髪以外に、体毛というものが一切なかった。肉体はどこも新鮮で瑞々しかった。きっと彼は女性の経験がないとわたしは思っている。どうして彼は身体の中心にこんなにも汚れのないものをもっているのか。わたしは、恋人のときと同じようにアルジョンテの性器に嫉妬をした。まるで生まれたばかりの雛のような手ざわり、珠玉を包む薄目の袋肌はシルクのようにわたしの指をすべらせ、ふくらみは潤み切った眼球のようにまろやかで掌の中で戯れる。肉幹は怯えた白鼠のように柔らかく、醜い漲(みなぎ)りを予感させない。長くも堅くもならないものをわたしはずっと指で弄りまわした。そして顔を近づけると匂いを嗅ぎ、唇の先でなぞった。
彼はそんなことをするわたしに怪訝な顔をした。おそらく自分の性器に女からこういうことをされること自体が彼にとっては初体験なのかもしれない。唇で肉幹を根元からなぞり上げ、青くなめらかな包皮を啄(ついば)むように愛撫を繰り返すと、性器はしだいに堅さを含んでいくのがわかった。性器の輪郭は光に照り映えるようにそそり立ち、精緻な麗しさを増してくる。唇のあいだの舌先が肉幹の裏筋を這い降りると唇は自然と開き、つるりとした垂れ袋の珠玉を唇に含む。
珠玉が舌の上ですべるように転がり、戯れる。舌先でつつくとふわりと逃げ、また舌に絡むように戻ってくる。幹はそり返り、桜色の亀頭は包皮からほどよく剥け、えらは薄紅の照りを示している。まるで水底の砂金をまぶしたような亀頭はふるふると輪郭を揺らし、光を散りばめ始める。

わたしは、アルジョンテの生気と体温を自分だけのものとしてペニスから吸い取りたい欲望に駆られた。彼のペニスの先端をゆっくりと唇に含んだわたしは残酷な気持ちになっていた。彼にこのうえない快楽を与え、快楽は《わたしだけが得ることができる》ものだと彼に知らしめたかった。
わたしは彼の性器を夢中で愛撫した。咥えたペニスを唇で締め過ぎることなく、かといってゆるめ過ぎこともなく、舌を巻きつけ、肉幹の包皮を擦りあげた。彼の身体の中から血流が喘ぐ鼓動が聞こえてきた。うっとりと潤んだ彼の瞳、のけ反る首筋、なめらかな下腹の微かな震え、こわばる内腿のゆるやかな肉肌。わたしの唾液は絶えることなく湧き出てきた。それはとても長い愛撫の時間だった。ペニスの鈴口は蕾を開花させるようにひらいていく。
一瞬、彼の幹が収縮と痙攣を始めたときだった。彼の腰がせり上がり、糸を引くような嗚咽が彼の唇から洩れ、わたしの口の中は生あたたかい樹液で充たされた。彼はわたしが与えた快楽を知った。だからわたしは、彼のペニスを惜しむことなく貞操帯ですっぽり覆い、封印した。なぜなら、わたしはアルジョンテを、もっと美しい男にするために去勢する欲望に駆られていたのだから。



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