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「罠 (童貞詐欺)」
【熟女/人妻 官能小説】

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Nプラセボ効果-1

父から電話があった。
「明日香から聞いたよ。充分、自立心をもって勉学に勤しんでいる様だな。」
「ええ。頑張っています。」
「明日香が言うには当初の目的だった自立心を育てる事は出来ているから今は体調の方が心配だって。」
「大分良くなったんで心配しなくてもいいよ。」
「息子を栄養失調にさせるような母親にはなりたくないって言うんだ。
マンションは引き払って実家から通学しろ。家賃は来月分まで振り込んでおく。」
明日香の考えは分からないが加寿美や那奈との分断を図ったのは間違いない。
実はそんな生やさしい気持ちではなかった。
恐ろしい映像を持った少年を一人にしておく事が怖かったのだ。
自分の手元に置いて他人に見せる事を阻止したかったのだ。
そして消去させるには身近にいる事が大切だと思ったのだ。
再び明日香と二人きりの生活が始まったがそれは翔の思うようなものとは程遠いものだった。
女のオーラを完全に消し去り母の立場に徹しているのだ。
一度翔の部屋を掃除しに来てくれた時「僕、母さんとのあの日の事が忘れられません。
明日香さんが大好きなんです。」と告ってみた。
軽く微笑むだけで掃除の手が止まることはなかった。
そんな事があってからは翔の部屋の掃除は翔のいない時に限られた。
それほど明日香の防備は完璧だった。
(これじゃ駄目だ。せっかくまた明日香と同じ屋根の下で暮らせるようになったのに。
自分を何度も絶頂させ究極の弱みを握った男をここまで無下にできるとは。)
男の性格を見切った見事で大胆な防御になす術もなく毎日が過ぎて行く。
(これじゃ駄目だ。こんな時に媚薬でもあればなぁ・・・・・・・。)
そんな都合のいい薬はこの世に存在しない。
あの夢の勃起薬でさえまだ出来て25年ほどだ。
それ以前はすっぽんエキスや高麗人参が良薬とされていた時代が何年も続いていた。
残念ながら媚薬の研究はまだその時代が続いている。
ファイザー社が狭心症の新薬の臨床試験で副反応として陰茎勃起を発見したのは偶然だ。
こうしてED治療にバイアグラが流通し始めたが媚薬にもそんな偶然が何年か先に起るかもしれない。
(先の話じゃなぁ。今明日香を欲情させたいんだよな。媚薬・・・・。駄目だな・・・・。いや待てよ・・・・。)

「母さん明日友人が来るんだ。晩ご飯の用意頼むよ。」
「いいわよ。洋食と和食どちらがいいかしらねぇ。」
「女友達だから和食の方がいいかな。でもどっちでもいいよ。」
「へ〜。女の子なんだ。思えば翔がガールフレンドを自宅へ連れて来るのは初めてね。楽しみだわ。」

「母さん、来たよ。リビングに通すね。」
「えっ、こっこの人は翔のマンションで見かけたあの綺麗な人じゃないの?」
「そうなんだ。何度もアタックしたんだけれどガードが固くって未だに普通の友人なんだって。」
「そうなのよ。関西に嫁いできて最初のそしてたった一人の友人が翔君なの。
彼とはなんか気が合っちゃって一人の寂しさが忘れられるのね。
でもこの子、油断も隙も無いのよ。だから一緒にランチに行く事はあっても部屋の行き来はないわ。
今日はお母さんのいる実家なのでずうずうしくお邪魔しました。よろしくお願いします。」
「郁美さんって言うのね。今おいくつなの?」
「はい。21歳です。結婚7カ月ですが彼と同じ高校生です。
主人が中退より卒業した方がいいって言うのでこちらの女子高に転入しました。
翔君には近くのマックで時々勉強を教えて貰っています。」
「そうなんだよ。普通家庭教師って言えば生徒の自宅か先生の家だろう。
なのにいつもマックかファミレスなんだ。どれだけ警戒するんだって話だよ。」
「でも翔の相手はそれぐらい身持ちの堅い子の方がいいわ。郁美さんえらいわ。」
「それより腹へったよ。母さん飯頼むよ。」
「じゃ、冷蔵庫の寿司ネタ出してくれる。郁美さんは海苔とシャリお願いね。」
と言いながら赤出汁を温める。


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