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「罠 (童貞詐欺)」
【熟女/人妻 官能小説】

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Nプラセボ効果-2

「うわ〜美味しいわ。おばさんありがとう。私魚が大好きなの。」
「それより郁美さん、母さんの土産に例のモンブラン買って来たんだろ?
僕の部屋に置きっぱなしだよ。冷蔵庫に移した方がいいよ。」
「あっ、そうだった。忘れてた。取ってくるわ。」
郁美が席を立った瞬間ポケットから黄金の小瓶を取り出し2〜3滴赤出汁に落とす。
「なっ何を入れたの?」
笑いながら人差し指を唇の前に立てる。
「はい。お母さんにお土産よ。どうぞ。」
「どうもありがとう。冷蔵庫に入れておくね。」
食事中、明日香の視線は郁美の言動に注がれる。
食後のデザートあたりから郁美は饒舌になり少し上気した様に見える。
そして驚いた事に一人用のソファーから翔の隣へ移動したのだ。
しかも密着する様な至近距離に腰かけ妖艶な微笑みを翔に送る。
先程までのガードの堅さは何だったんだろう。
そしてしなだれかかる様な仕草で翔の耳元で囁く。
「母さんちょっと郁美さんと相談する事が出来たんだ。部屋に戻るね。」
暫らくするとはっきりとわかるあの時の歓喜の涙声の絶叫が翔の部屋から流れ出たのだ。
明日香に聞こえる事もいとわない大声だ。
「あ〜気持ちいい〜逝く〜逝く〜」の連呼だ。
(わかったわ。翔が赤出汁に入れたのはきっと媚薬だわ。
そうでなければあの身持ちの固かった郁美さんの変わりようは説明がつかない。)
彼女の帰った後、上機嫌の翔に尋ねた。
「何を飲ませたの?」が笑って答えない。
それはそうだろう。媚薬を使って女をものにしましたなんて答えられる訳がない。
翌朝翔の部屋を掃除している時小さな紙切れを見つけた。
[領収書 100万円 ファミリー製薬開発部研究室 試薬30t]
そう言えば数日前、翔が夫に金の無心をしていたっけ。
「父さん友人を助けるためなんだ。100万円用立てて欲しいんだ。
理由は友人の名誉のために言えないんだ。」
「友人は大切にしろよ。」男気を見せて黙って100万円を渡した事があったのだ。
間違いない。あれは一滴数万円もする高級媚薬だ。

明日香は週に一度くらいの頻度で隣家で花の師匠をしている夫人とお茶をする。
50代の上品な奥様だ。ご主人は一流企業の役員だと聞いている。
翔の実母とも懇意にしていたし小さい頃からよく可愛がって貰ったものだ。
翔の家で和菓子と緑茶で会話しているところに割り込んだ。
世間一般の井戸端会議と違い上品な会話に花が咲いている。
こんな場合普通は芸能ネタか人のうわさだろう。
この日は珍しく「美味しいお店」の話で盛り上がっていた。
翔の知らない高級店の名前が飛び交う。
「そうだな。僕の美味しいお店は日本一ラーメンかな?
あそこの豚骨ラーメンのスープは絶品だよ。」
奥さんは笑いながら「若いっていいわね。何を食べても美味しいんだから。」
と言いながらトイレにたつ。
ボケットから例の黄金の小瓶を取り出す。
明日香の目がキラリとひかる。
奥さんは和菓子を食べ終わり緑茶を飲みほしながら笑顔で翔のラーメン談義に耳を傾ける。
いつもならここで丁寧に礼を言い帰宅するのだが今日はそんな気配はない。
じっと熱い目で翔の横顔を見つめているのだ。
それどころか「一度翔君の部屋が見たいわ。」と言って二人で二階へ上がって行ったではないか。
暫らくして明日香の耳に信じられない声が届く。
どうしても信じられなくて足音を消して二階に上がる。
部屋のドアは開いていた。覗いて思わず手で口を押さえた。


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