片思いを暴かれて-3
「な、にして…」
ソファーで、秀次の上に真由美が座る形になっている。
よく見ると、真由美の両腕は背中の方で、秀次にがっちりとホールドされているようだった。
「秀次何してんだよ?! 酔っ払ってるからってしていいことと悪いこと…」
「なあ」
「なんだよ」
「ーー俺が寝てる間、カネはなーーーんもしなかったの?」
(は…?)
その言葉に、金治の毛穴からぶわっと汗が吹き出したような感覚があった。
「何言ってんだよ?!」
「だって、お前、時任先輩のことすきだったろ?」
ーー金治は何も言えなかった。
「えっ、佐田くん…??」
真由美が戸惑った声を出す。
(ーー誰にも言ってなかったのに…)
金治は、ぐっと唇を噛んだ。
何もしなかった。だがーー目の前にあるその体に乱暴したいという感情があった。それは、否定できなかった。
「何もしてないならさ、楽しんじゃえばいいんじゃん?俺ら以外誰もいないんだよ?」
「何言ってるの?!小菅くん、やだっ…!」
一瞬だった。秀次の手によって、真由美のトレーニングウェアのジッパーが下ろされた。
素肌に、黒のランジェリーを身につけているだけだった。
「秀次…おまえ… 」
「い、やだぁっ…」
「くくっ…カネ〜、たっちゃってるよ、お前」
グレーのジョガーパンツのその部分が、テントのようになってしまっていた。金治は自分の本能が悲しかった。
金治はとぼとぼと歩き、真由美の目の前で足を止めた。
「佐田くん、やめて、お願い…」
「ごめんなさい…」
蚊の鳴くような声で、金治は謝った。
体をかがませて、真由美の唇に触れるか触れないかのキスをした。たったそれだけのことで、射精してしまいそうだった。
金治は胸元にもキスを落とす。こんな状況でも、真由美を酷く扱うことなどできなかったのだ。
「んっ…」
くすぐったさに、真由美が体をよじらせた。胸元に何度も落とされるキス。おそらく、性行為のときに男性からこんなにも優しく触られたことが真由美にはなかった。
「カネは優しいなぁ」
真由美の後ろから下品な笑い声が聞こえる。
そう、優しく触れられているとはいえ、今真由美は強姦されかかっているのだ。そのことを思い出させる、下卑た声。
秀次は、会社の中でも飛び抜けて成績がよかった。
というのも、人の喜ぶことをする能力がずば抜けて高かったからだ。
誰も気づかなかった、金治の恋心に気づいたのもこうした能力の高さゆえだろう。
「時任先輩、俺はカネの恋心成就させてやりたいんすよ。結婚しちゃったから、付き合うとかは無理でもエロいことはできるじゃないですか。一晩、好きにさせてやってくださいよ」
金治が優しくキスしている胸を、下着越しに、ぐっと強く秀次は掴んだ。
真由美は痛みで顔を歪める。