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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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   夜の狂宴の前に 香澄の性春 その1-11

香澄には正直なんのことだかわからなかったが、
しかし次の瞬間、股間から身体が二つに引き裂かれるような痛みが走り、
頭のてっぺんまで突き抜けていった。
今までに全く経験したことのないほどの痛みだった。

香澄がその痛みから逃れようとすると、史恵の声が耳のそばで聞こえた。
「香澄。逃げないの。反対に、腰を突き出してごらん。さあ。」

香澄は意味が分からないまま、腰を突き出そうとしたが、
股間の痛みはさらに激しくなり、香澄にその動きを許さなかった。
「ダメよ、香澄。ほら、匠君に、もっとしっかり抱き付くのよ。」

香澄は叫び声をあげながら、夢中で匠にしがみついた。
匠の身体が自分の身体の上で激しく動いているのはわかった。
「ほら、もっとしがみつくの。脚を拡げて、匠君の腰に絡めてごらん。」

香澄は痛みに耐えながら、ゆっくりと脚を開き、
史恵の言うように匠の腰に足を絡めた。
その瞬間、痛みの方向が変わり、
痛みの奥ほうから、今までとは違う感覚が僅かながら生じた。

「な、なに?い、痛い、ダメ、ダメ、
 いや、嫌よ、やめて、あ、痛い、あ、えっ?」

匠の動きが一段と速くなり、
香澄に生じた痛みとは少し違った感覚も消えていった。
匠が耳元で囁く言葉も、
香澄には意味のある言葉としては捉えることができなかった。
匠が自分の身体の上で、激しい息遣いをしながら腰を打ち付けている。

香澄には全く状況がつめないままの時間が過ぎていった。
香澄にあったのは、痛みと違和感だけだった。
しかし、何か必死になって訴えかけながら、
ひたすら動き続ける匠に対して嫌悪感は生じなかった。
ひっさは感じ取れても、乱暴な感じや荒々しさは感じられなかったのだ。
股間から全身に広がる痛みとは裏腹に、
むしろ、その必死さが愛おしくさえ思われた。


辛いだけ、痛いだけ、
そんな時間が永遠に続くかと思われたころ、
香澄の身体にほんのわずかな変化が生じ始めた。
それは、何かに股間を押し付けた時に感じた、
得体の知れない気持ち良さと似た感覚の様であり、
それとは違った感覚の様でもあった。

香澄は身体を引き裂くような痛みから逃れるためだけではなく、
その気持ち良い感覚に近づこうと、
身体の向きや力の入れ方を少しずつ変え始めた。

香澄の身体全体に広がっていた痛みの中心部に、
わずかばかりの気持ち良さが生じ始め、
それは次第に大きなうねりとなって、痛みを押しのけていく。

香澄は自分の意志で匠の身体にしがみつき、
匠の腰の動きに合わせるように、少しずつ腰を動かし始めた。
匠はそんな香澄の目を改めて見つめると、香澄に優しいキスをしてくる。
香澄も、匠の目を見つめ、キスを返した。

「大丈夫?」
「うん。」
「痛い?」
「うん。」
「痛いだけ?」
「ううん。ちょっと……気持ち、いい、かも。」
「気持ち、いい?」
「ちょっと、だけ。」

香澄は匠の腰に絡めた脚を外し、腰の位置を少しずらした。
そして再び匠の腰に絡めていく。
匠は両腕で香澄の膝を少しだけ抱えるようにして、再び胸を合せた。

匠がゆっくりと動き始めると、痛みを越えた心地よさが香澄の身体に広がって行く。
「あ、ね、ねえ、い、いい、感じ。」

その言葉に自信を得たように、匠が腰の動きを少しずつ大きくしていく。
痛みを恐れて恐る恐る腰を動かしていた香澄も、次第に大胆に、腰を動かし始めた。

「あ、あ、ね、ねえ、い、いい、感じ。」
「ほら、こう、こうすると、どう?」
「あ、あ、さっき、さっきより、い、痛くない。」
「香澄。」
「匠君。」


「い、いくよ、香澄。」
「い、いいわ、いいわよ。」
「あ、ああ。いっちゃうよ。」
「来て、来て。匠君。」

匠の動きが一段と速くなり、
やがて、匠の身体は動きを止め、香澄の胸に上半身を倒した。
香澄は匠の体重の全てを自分の身体で受け止めた。

(匠君、いった、の?そうなのね?)
香澄は急に愛おしさがこみ上げてきて、
自分の胸に顔をうずめている匠を抱きしめた。


「香澄。凄いじゃない。これであなたもわたしたちの仲間入りよ。
 匠君。どうだった?初めての感想は。」
荒い息遣いの史恵の問いかけにも応えることも出来ず、
香澄は匠の体重を全身で受け止めながら、思った。

(大人になるって言うのは、
 こうした重さを受け止めることなんだ。)


しばらくして、匠は顔を上げ、香澄の顔に唇を当てた。
「大丈夫?」
「うん。」
「痛かった?」
「とっても。」
「まだ痛い?」
「うん。少しだけ。」
「少し休む?」
「うん。」

匠はもう一度香澄にキスをすると、そっと香澄の身体から離れた。

香澄は汗ばんだ身体のまま、シーツにくるまっていた。
身体の中心に走った、股間を二つに引き裂くような痛みは、まだ続いている。
まだ股の間に何かが挟まっているような感覚が残ったままで、
香澄にはまだ行為が続いているかのように感じられた。

(これがセックスなんだ。そして、これが男の人なんだ。)
そう思いながら香澄はいつの間にか涙ぐんでいた。
後悔しているわけでない。
と言って、喜びの涙とも違っていた。
自分でも説明のつかない涙だった。

自分はもう少女ではないのだ、昨日までの自分とは、もう違うのだ。
そう思うと、涙は自然と溢れてきた。


匠の向こう側に、
畳の上に仰向けになった豊に跨って、
激しく上下に動く史恵の姿が見えた。

痛みと緊張感のせいか、香澄に、急に眠気が襲ってきた。


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