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ブービートラップ
【ショタ 官能小説】

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肥田弁護士-1

翌日は午前中、ハイスクールの授業がなかったので、聡子とダウンタウンの法律事務所に行った。受付で、俺は”Is an attorney by the name Hida working here?(肥田という名前の弁護士がここで勤務していますか?)”と聞いた。

“Yes, he is in his office right now. Do you have an appointment?(はい、今オフィスにいます。予約をなさってますか?)”

“No.”

“I’ll check on him if he’s available. Wait a minute, please. What’s your name? (彼が対応できるか確認します。少しお待ちください。お名前を伺えますか?)”

“Satoko Kawada.”と俺は、聡子の名前を言った。しばらくして、俺たちは、3階のオフィスに通された。

肥田弁護士は、驚いた様子で聡子と俺を見た。

「聡子ちゃん、久しぶり。というより、どうしたの?」

「徹さん。徹さんのお母様のこと、心からお悔やみ申し上げます。山菜を採りに行って戻らず、山中でご遺体が見つかったことをニュースで知りました。」

「うん、あれは事故だったのだから、仕方なかったんだ。」

「いいえ、違うと思います。」と言って聡子は肥田に茶封筒を手渡した。

「徹さんのお母様が亡くなる前に、うちの母にこれを託したそうです。」

肥田は、封書を開封し、中の文面を読み涙した。そして、「君たち、今日の夕方18:30ごろもう一度、ここに来てもらえないかな。晩飯、奢るよ。」と言った。

夕方、再び法律事務所に戻り、30分程待ってから、彼の車でステーキハウスに向かった。彼は、落ち着いた口調で、その時初めて俺に自己紹介した。そして、俺も、聡子の元生徒で、現在、La Jolla に住む高校生だと説明した。

それから、レストランに着くと、彼は、聡子から受け取った母親の遺書について語った。彼の一家は代々、山林や農地を所有する地元の名士だった。戦後の農地改革で、多くの農地を手放したが、彼の父親は、都市近郊の市場向けに、オクラやキゥイフルーツやズッキーニなど新しい野菜や果実の栽培を積極的に手掛ける地区の農協の重鎮として活躍した。ところが、1980年代初頭に始まった宅地開発ブームで、山林をいくつか手放し、大金を手にしたことから、人が変わり、酒や女遊びに興じるようになった。

接待と称して、農作業そっちのけで昼間から名古屋のソープ街に足を運び、夜は錦三丁目のキャバレーで豪遊した。見かねた家族は、「お父さん、目を覚まして。」と、懇願し、彼は病院の心療内科でアルコール依存症の治療を受け始めた。

ところが、今度はその病院の若い美人看護師に、入れ上げて執拗にストーカー行為を行った。そして、彼が執心していた看護師が突然、病院を辞めると、荒れて、家族に対してDVを行なった。(その時、俺は、自分が通院していた市民病院を思い出し、そのストーキングされてた看護師って、まさか華恋ではないよな、と自問した。確か、多治見の心療内科って、市民病院にしかなかったはずだ。)

彼は、長男であったが、父親の絵に描いたようなダメ親父ぶりに辟易して、高校卒業を機に、こんな実家にはもう二度と戻らぬという決意を固めて、大学に進学した。

そのしわ寄せが、全て母親に行ってしまったと言って、彼は涙をこぼした。

その夜、聡子は俺の家に帰ってからも、ずっと泣いていた。それで、俺は彼女に寄り添い、背中をさすった。

「ねぇ、コウ。私を抱いて。」と泣き腫らした目で、聡子は俺を見た。

俺は、聡子を抱きしめて、そっと彼女の唇にキスをした。それから、「聡姐の悲しみ、俺が半分もらうよ。」と言って、彼女を俺の部屋に導いた。そこで、俺は、労わるように丁寧に時間をかけて聡子を愛撫し、交わった。交歓の最中、彼女の目から止め処のない涙が溢れた。



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