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よだかの星に微笑みを(第三部)
【SF 官能小説】

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背負ったもの-1

コンビニで何気なく立ち読みしようとした雑誌に、ポリアンナが載っていた。巻頭特集だった。曰く
「期待の中学生新人モデル、アンナちゃん」
水着の写真だった。プロの写真家に撮られているからか、普段より可愛らしく見える。この子かわいいなと、思わず注目してから、ポリアンナだと気が付いた。知らない人を見たような、変な気分だった。
雑誌は買っておいた。彼女にとってはめでたい事なのだが、何となく落ち着かない、腹立たしい気分だった。これが嫉妬かと俺は思った。
「あ、ポリアンナ? 雑誌見たよ。」
「弘前さん! 見てくれたの? どう?」
「綺麗だと思ったけど。一言モデルするの、言ってくれれば良かったのに。」
「淋しかったんだもん!」
俺は、今ではポリアンナと通信できるようになっていた。それもあって、近頃、会う機会が減っていたのを放っておいた俺が悪かった。
「今日、会おうよ。」
「お仕事がある。これから忙しくなるの。」
「抱きたいんだけど。」
「そんなふうに言われると、あたし困る!」
ポリアンナは泣き出した。
我ながら、言って自分を下衆な野郎だと感じた。人は普通、自分だけは善良で正しいと思っているものだが、案外、自己イメージとは違う反応を無自覚にしているのだと、このとき気が付いた。
「ごめん。」
「いいの。今度はあたしから連絡するね。」
「でも、あそこだけちょっと」
「汚いから恥ずかしいけど」
俺はコンビニのトイレでオナニーし始めた。
「襞の裏に溜まってるよ。こうしていると、女の子のにおいを顔に塗られたみたいだ。あ、でる!」
黙って顔を赤く染めるポリアンナに向けて、俺は射精する様子を見せた。
「ポリアンナ、分かる、この味?」
「ん、薄いのかな。でも沢山だし、よく飛ぶね。なんだか凄く恥ずかしい。」
「これから全国の男たちがポリアンナに向けて毎日こんなに飛ばしてくるんだ。」
言葉のトーンが嫉妬から、変質者風になってしまう。
「・・・あたし、行くね。」
通信は切れた。
ファンに取り巻かれるポリアンナを想像したら、彼女を手放したくないと強く思った。
これは愛情でなく、欲望だ。お前らの好きなこの子のパンツまで俺は持ってるし、セックスもしたんだぞとばかり、大声で叫びたい気分だった。
奴隷化機能の使用まで真剣に考えて、さすがに恥ずかしくなった。人間が堕落するのは一瞬の出来事なのかもわからない。
悶々とした気持ちでコンビニを出た途端、高橋先輩に会った。改造されて以来、まともに顔を合わせたことが無かったので、もちろん俺は驚いたが、先輩も面食らったような顔をしていた。
「おう、元気そうだな。」
「こんにちは。先輩はどうですか。」
「事情はいくらかお前も知ってるんだろうが、なかなか大変だよ。」
「中途半端に俺も関わってるんで、気持ち悪いです。」
「そうだろうなあ。でも、組織には入れてやらないぞ。」
にこりと先輩は笑顔を見せた。笑顔の意味は分からない。
「そろそろ五時だな。飲みにでも行くか。」
「え?」


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