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恋のばんそうこう
【女性向け 官能小説】

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-8


「ちょっと・・・いい加減にしてよ」

梅雨が終わった夏の夜は
ムシムシして気持ち悪くて
今の私の気持ちを代弁しているかのような湿度だった。

「あんなこと言われて、彼氏として黙っている方がおかしいだろ?」
「彼氏?」

「自分の彼女の面倒を他の男が見るからって言われたんだぞ」
「・・・・」

「・・・何だよ?」
珍しく興奮してる白木をよそ眼に、私は冷めたため息をついた。

「白木が怒る意味が分からないよ」
「あ?」

「本当の彼女だったら怒ってもいいけど」
「・・・・」
「そもそも、何で今日私をココに来させたかったのかもわからない。
乃恵と話してればいいじゃん?好きなだけ」
「・・・・」
「私が暇そうだったから上杉君が話してくれただけでしょ」

「俺が隣にいるのに、お前の事狙ってるなんて言ったんだぞ?」
「だからさ、それだって、本当の彼氏じゃないんだから聞き流せばいいじゃん?」
「・・・・」
「そもそも、私たちは今日で終わりでしょ?
上杉君の告白を私が受けてもいい訳でしょ?」
「・・・お前、成田さんが忘れられないんじゃないのかよ?」
「上杉君・・・雰囲気が成田先輩に似てるんだもん・・・」

「綾香、本気で言ってんの?」

いつも・・・
ポーカーフェイスで
何事にも動じず、少しさめた顔で物事を斜めから見るような白木が。

珍しく怒ったかと思ったら
一気に表情をなくして、私にそう聞いてきた―――




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