ぶ-1
「本気だったら？」
視線をそらさずに聞いてやる。
白木に関係あるの？
喉から出かかったその言葉は、白木のゆがめた表情で何も言えなくなった。
「今日で最後のはずでしょう？」
「・・・・」
「成田先輩は絶対に手が届かないもん。似ている上杉君にそれを求めちゃいけないの？」
「お前、それで満足なの？」
なに、それ・・・
「言ってる意味が分からないんですけど！」
「ほんとに俺の言ってる意味、分からない？」
「分からな、い」
「・・・・」
私をじっと見つめるその視線に耐えきれなくて、視線を外す。
「俺と別れる覚悟、出来てんの?
成田さんに雰囲気が似てるってだけで、上杉を好きになれるんだな？」
覚悟？
覚悟ってなに？
「俺が、他の女を可愛がってもいいんだな？」
「・・・・」
い、言ってる意味が分からない。
「俺は、綾香が他の男を彼氏だって言うのは耐えらんないけど？」
「・・・・」
言ってる意味が分からないよ。
「綾香は、その覚悟が出来てんだな？」
「・・・・」
覚悟・・・って
「今日で、終わりだって約束じゃん！」
「・・・・」
「それでいいって言ってたじゃん」
「・・・・」
何も言わずにじっと私を射抜くような瞳で見つめる。
怖い―――