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恋のばんそうこう
【女性向け 官能小説】

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「綾香に・・・」
白木が静かに話し出した。

「ゼミの飲み会に誘って・・・綾香に『この役を終わりにしよう』って言われたとき」
「う、ん」
「正直、すぐに理解できなかった」
「え?」

「俺、これが芝居だって半分忘れてた」
「・・・・」
「二人でいるのがすごく自然で。綾香のことがすごく好きになって行って・・・
『役』だなんて言われてすぐに理解できなかった」
「・・・・」

「おまけに成田さんをまだ好きだって言うし」
「・・・・」
「俺と一緒にいても楽しくないなんて言うし」
「・・・・」
「楽しかったのは俺だけかよ、って」
「・・・・」
「寂しかった」

私の言葉で寂しくなる、白木。

私たちは、未熟だから。
好きな人の言葉と言動ですぐに傷つく。
未熟で自分に自信がない分、すぐに悲しくなってすぐに傷つく。

そしてそれを癒して治してくれるのは
やっぱり、好きな人からの言葉とキスなんだ。

好きな人から好きだと言われるだけで
もうそれだけで宙にも浮きそうなほどウキウキする。

私は白木をぎゅっと抱きしめた。

「大好き」

この言葉にどれだけ白木を安心させる魔法が隠れているんだろう。

「俺も、大好き」

白木の言葉は、私の傷をすっかり治す、魔法のばんそうこうみたいだ。

きっと私たちはこれから先も
知らない間にお互いに傷つけたり、勝手に傷ついたりするんだろう。

でも、一緒に大人になって行こうね。

大人になる時間を一緒に過ごして行こうね。

ずっとずっと・・・
お互いの心の傷を治せるのはお互いの言葉だといいな。

だから、ずっとずっとずーっと、そばにいてね。


Your word is a band-aid at my heart.





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