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恋のばんそうこう
【女性向け 官能小説】

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-6


「白木は成田さんと正反対っぽいのにな」

フツーの世間話のように声のトーンは落ち着いていて
上杉君は次に来た料理も私に取り分けてくれた。

「え・・・と」
なんて言ったらいいか分からないその雰囲気は
私たち以外には感じられていないようで
私たち以外の人たちは、それぞれ楽しくゼミの話しやテストの話しをしていた。

「白木と付き合って幸せ?」
「え・・・」

まるで私の隣に白木がいないかのように
小さい声で聞いて来る。

「なん・・・で・・」
「白木が乃恵ちゃんを好きなのは有名だから、さ」
「・・・」
「そんな男と付き合って、松井は幸せなのかな?って」
「あ、の」
「ん?」
「えっと」

嫌々、白木のゼミの飲み会に参加して
隣に白木がいるのに。
白木は正面の乃恵と話すことしかしてなくて
逆隣で、私を好きだという上杉君に「幸せか?」なんて聞かれてる・・・

なんて状況よ・・・


「幸せに決まってんだろ」


言葉に詰まった私の代わりに、隣にいた白木が
私の肩を抱くように腕を椅子の背もたれから移動させて
冷たくドヤった声で答えた。

「松井に聞いてんの」

そんな白木の声に上杉君は動じもせず
顔はあくまでも私に向けたまま。
ほんの一瞬も白木の方に視線を動かさずにさっきと変らぬ優しい笑顔で
白木にけん制した。



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