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恋のばんそうこう
【女性向け 官能小説】

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「おい、綾香、このサラダ食べ・・・」
「あ。上杉君に取ってもらった」

ふと乃恵との会話が途切れた時に
白木が思い出したように、サラダを勧めてきた。

「あ、食べてんだ」
「うん」

私の事は気にしないで、どーぞ乃恵と話してて。

いったい何のために私はココにいるんだか。

シーザーサラダのクルトンがドレシングで湿っていた。

「本当に松井、白木と付き合ってるんだ」
上杉君のその会話に「今日までね」と喉の奥で答えて
「うん」
とだけ返事をする。

「俺が好きだって知ってた?」
なんて苦笑いするから
「え!上杉君、白木が好きなの?」
そう、耳元で小さく聞けば
「松井っ!」
可笑しそうに、私のほほを優しくつねった。
「ギャー。ウソウソ」
「全く。そんなトコも好きだけどな」

冗談で済ませようとしたその雰囲気が申し訳ない程に
寂しそうに笑いながら告白なんてするから

「私、成田先輩が好きだったんだよ?」
と、訳の分からないいい訳をしてみる。

「知ってるよ。大声でいつも言ってたじゃん」
思い出したように笑うその雰囲気が、似てる。成田先輩に・・・

「だから、成田さんが卒業するまで待ってたんだけど
ちょっとタイミングがずれちゃったみたいだな」
「・・・・」



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