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恋のばんそうこう
【女性向け 官能小説】

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-3


私は、白木にまだ成田先輩が好きだと嘘をついた。

本当はBBQの成田先輩と里香さんを見て
「お似合いだな」
と思った瞬間に、吹っ切れていたんだと思う。
その代わりに白木と一緒にいるとザワザワするこの気持ちが芽生えた。

でも、そんな事は白木には教えてやらない。

だって・・・
自分でも分からないこの気持ちを
白木に知られるのだけはイヤだから。

いつもは、めんどくさい気持ちも手伝って薄化粧なのに
その日はばっちり化粧をした。
服も気合を入れて、いつもの私よりも頑張った。

たぶん・・・
ゼミのみんなに私との関係が恥ずかしくない程度には着飾っているはずだ。

当日になっても行く気になれなくて
少し遅れて行った私は、着くと同時に白木が手をあげてその隣に誘導された。

まぁ、ラブラブなのをアピールするための出席だから
隣の席以外の選択はないんだけど。
わざわざこれ見よがしに一席空けてあるのがなんだか気に入らなかった。

口元だけ笑って、場がシラけない程度に挨拶をする。
白木の左隣に座った私は
「遅かったけど迷わなかったか?」
なんて、軽い嫌味を言われて
私の椅子の背もたれに白木の左手が回った。

私たちの前には乃恵がいて
白木の身体と心と会話は隣の私じゃなくて
正面の乃恵に向いていた。

「綾香ちゃん来てくれてありがとう〜!」

素直に私たちの関係を喜ぶ乃恵は、全く嫌なオンナに思えなくて
イヤなオンナだったらよかったのにね。

このモヤモヤした気持ちは自分自身でさえ答えが出ないのに
まして白木に知られるなんて絶対に嫌だった。



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