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恋のばんそうこう
【女性向け 官能小説】

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お腹もいっぱいになって
焼き係をしていないメンバーが、鉄板を片付けている時に
里香さんがそっと話しかけてきた。

「こんにちは。白木くんの彼女さん」
「あ。こんにちは。松井です」

里香さんはニコニコ、というかニヤニヤ笑って

「溺愛されてるわねぇ〜」
とつぶやいた。
「え?」

「白木くんよ。松井さんの事、溺愛してるよね」
そんなコト、ないですよ。

「さっきは松井さんを蒼くんに会わせたくなかったんでしょ」
「・・・・」
「他の男には話しかけさせないって感じだったものね」

「・・・・」

「いつもポーカーフェイスで何事にも動じない白木くんが
珍しく不機嫌だったものね。面白かったわ」

里香さんはそう言って声を出して笑いだした。

綺麗な人だな。
楽しくて、可愛い。

成田先輩が選んだのは、この人なんだ。

改めて成田先輩がこの人を選んだ理由がわかった気がした。

「里香さんは、成田先輩と幸せですか?」
「うん」

とびきりの笑顔で言われたから
もう、スッキリした。

あの頃・・・今まで私の周りにいた高校時代の男子とは違う、
大学生の成田先輩が凄く大人に見えた。
素敵で、カッコ良くて、みんなの憧れに自分も乗っかった。

それはアイドルを見るような
手が届かないと知っている人を好きになるような
そんな気持だったのかもしれない。

「白木くんと松井さんもお似合いだね」
「え?」
「だって、今日1日、白木くん松井さんを離さなかったものね」

そう言って里香さんは面白そうに笑う。

そして、そう言われてなんだか嬉しい自分がいた。




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