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アンジェラ
【その他 官能小説】

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アンジェラ-3

 時々クラブはこういうことをするのである。Mの女性が足りなくなるとこんなことをする。客が偶にはMとして扱われるのもいいかと思ってくれたり、逆に金にくらんで女がM役に応じたりすることをクラブは期待しているのである。折角来た客を逃すのなら駄目でもともとと考えてそういうことをするのである。双方ともに断ればクラブの係りは「ああ間違った」などと平気で言う。そんなことをしていれば時間稼ぎになって今接客中のM女が仕事を終わる時間に近づいて来ることにもなるからである。しかし客の方も女の方も『まあ偶にはいいか』と応じてしまうことも多いらしい。アンジェラは一瞬腹が立って断わろうかと思ったが、人の良さそうな男に見えたので、何とかなりそうな気がした。
 「1度縛られてみませんか。その代わりセックスして上げますから」
 「本番させてくれるのかあ。それなら縛られてみようか」
 「たまには変わった経験をしてみるのもいいもんですよ」
 「それじゃあ変わった経験というやつをしてみるけれども、縛られるだけでムチで打ったり爪でひっかいたり痛いことは厭だからね。僕はマゾじゃ無いんだからね」
 「はい。分かりました」

 爪でひっかいてほしがるM男というのは余りいないから、そんなことを言うところを見るとこの男は本当にMというのではないらしい。アンジェラは男を大の字に縛った。アンジェラは皮で出来た女王様スタイルの特別なものを身につけていた。小さい三角形が股間を覆い、あとは革ひもだけの服とも言えないような服である。しかしこれを身につけていてはセックス出来ないので脱がなければならない。とは言ってもいきなり脱ぐのは芸がない。脱ぐ前に少しサービスしてやろうと思い、男の乳首に口を付けて吸ってやった。
男は目を瞑ってじっとこらえてはいるが感じているようである。瞑った目の睫毛が長くてフルフル震えていた。ちょっと可愛いと思って口にキスしたら驚いたように目を開けた。ニコッと笑ってもう一度キスすると吸い付いてきてアンジェラの舌を吸う。手足は縛ってあるから安心で、やりたいようにやらせてやろうと思った。男はアンジェラの口を吸いながら腰を上下させている。既に男の性器は立っている。男の顔の脇に膝を突いてキスしていたのだが、そのままで皮の衣装の下半分を脱いだ。それからキスをしたまま男の体の上に移動して完全に乗っかった。乳房の周りにも革ひもはあるが乳房自体は全部露出しているから男の胸にアンジェラの乳房は押しつぶされた。と言うよりも上下が逆だからアンジェラが乳房を押しつけたのである。
客とはセックスをしたことが無いし、客以外の男と日本では付き合いが無いからアンジェラにとってセックスは実に久しぶりのことである。この仕事に変わる前は普通の売春をしていたがもう2年も前のことだった。これから久しぶりにセックスするのだと思うと我知らずアンジェラも興奮してしまい、男とのキスに熱が入った。背の高さはアンジェラの方が高かったけれども座高はほぼ同じくらいのようで、キスをしながら2人の性器は丁度同じ位置にあった。キスした口を放さずにアンジェラは男の体の上で両手を背中に廻し、革ひもの衣装を全部脱いだ。男はキスしながら呻いていた。キスだけで相当に感じているようだ。そのまま性器を入れて腰を抜き差しした。セックスなんか想定していないからコンドームなんて用意してない。しかし以前からの習慣でピルを飲んでいるから妊娠の危険は無いし、男はウブな感じで性病など無いだろうと思った。
少し腰を振った所で男がウッと言って射精したことを知ったが、アンジェラはまだ満足していない。そのまま男の性器が立っているので構わずにアンジェラは動きを続けた。その内又男の性器が堅さを取り戻して来たのでアンジェラは激しく動いてセックスを満喫した。2年ぶりのセックスでアンジェラも感じてしまったのである。男が縛られていなかったらこうはいかなかっただろう。やはり知らない男とのセックスというのは安心しきれない所が残るからである。アンジェラが腰を強くこすりつけて行った時、男は2度目の射精をした。キスしていた口の周りは2人ともベタベタになっていた。体をつなげたまま
 「どうだった。満足した?」
 と聞いたら男は意外なことを言う。


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