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アンジェラ
【その他 官能小説】

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アンジェラ-26

 2人は帰ると早速セックスをした。靖は裸になったがアンジェラは下着だけを脱いだ。ゴムの服を着たまま抱いてみたいと靖が言ったからである。ミニのワンピースだから下の方を少しめくり上げただけでセックスは十分出来る。靖はゴムの服越しにアンジェラの胸を舐めた。つるつるして奇妙な感触があり、靖は夢中になった。途中でアンジェラが起き出して何か取りだし、
 「これを全身にかけてこすって頂戴」
 と言う。ベビー・オイルであった。靖はアンジェラのラテックスの服の上にそれを垂らして手のひらで伸ばした。露出している腕や脚にも塗った。ついでに股間にもたっぷり塗りつけた。そしてアンジェラに重なりセックスした。ヌルヌルしている上にラテックスの滑る感触が何とも言えず奇妙で靖は興奮したが、アンジェラも興奮していた。どこもかしこも滑り、しっかりと固定しているのは繋がった2人の性器と吸い合う口だけだった。終わってみると床は油でベトベトになっていたが、そのまま乾いた雑巾で擦ればワックスをかけたのと同じである。油まみれの2人はそのままで床を磨き始め、油が足りなくなると自分の体に付いている油をこすって床になすりつけた。それからアンジェラは風呂場に行きラテックスのワンピースを慎重に脱ぎ、ぬるま湯に洗剤を少し落として洗っている。高価な物のようで、丁寧な扱いをしていた。靖が風呂場に入ってくると2人は互いにボディー・シャンプーをたっぷり使って相手の体を洗ってやった。
 「来週はゴムのタイツ穿いて出かけようよ」
 「いいわよ。あれはもっとセクシーで目立つわよ」
 「そうだろうな」
 「此処の膨らみがモロに出るからみんな此処を見るわ」
 「透ける?」
 「透けない」
 「あ、そうか。Tバックを穿くからね」
 「あれの時は下着は穿かない」
 「そしたら透けないかな」
 「大丈夫。鏡で見て確認したから。透けそうで透けない」
 「それはいいなあ。楽しみだ」
 「そんなに好きなら今体を拭いたら穿いて上げようか?」
 「うん。それで上は何かSMの女王様みたいな皮のブラジャーがあるだろ。何かそんな奴を着てくれないかな」
 「それで私にムチで打って欲しいの?」
 「いや、ただ見るだけ」
 「見るだけじゃなくて触るんでしょ?」
 「うん。それにおっぱいを吸う」
 「おっぱいを吸うんならおっぱいが出るブラをして上げるね」
 「ほう。そんなのがあるならそれにして」

 アンジェラは革ひもで出来た物を取りだして付けた。それは乳房の周囲を三角形になった革ひもが絞り出すような形になっていて、要するに皮製のカップ無しのブラである。アンジェラの大きな乳房は周囲から搾り出されるようになって余計膨らんでいる。靖は喜んで乳房に吸い付いた。

Mという人種はどういう訳か乳房を吸うということを余りしない。従ってSの女王は余り胸をさらけ出したりはしない。乳房を露出するのはむしろMの女性に多い姿だろう。つまりSの男は乳房を好むのかも知れないが、それは飽くまでも乳房を責める対象としていて、責める対象が目に見えることを好むというに過ぎないだろう。Sの男が乳房を吸うのを好むというのはイメージしにくいのである。それはSと言うよりむしろ赤ちゃんプレイと言うべきものだろう。
赤ちゃんプレイというのは女におむつなどして貰って赤ちゃんとして扱って貰い、喜ぶというものである。近頃ではコスプレルームなどと称して赤ちゃんプレイに応ずる所もあるくらいだから、そうした嗜好の男も少なくないということなのだろう。赤ちゃんプレイなどと言うと女にはそのような傾向が無いかのように思ってしまうが、そうでも無い。おもらしと言って服を着たまま室内或いは野外でおしっこするプレイがあるが、男がおもらしする、あるいは男におもらしさせるというのはちょっとイメージできない。だからおもらしプレイで快感を感じるのは女だということになる。男はそれを見ておもらしした女の姿や恥じらいに喜ぶわけである。おもらしプレイも赤ちゃんプレイの変形と言えるように思うのだが、するとおもらしプレイで快感を感じている女は赤ちゃんプレイの嗜好があることになる。つまり性における退行現象は男女を問わずあるのである。
靖は自分ではSだと思っているらしいが、どうやら赤ちゃん願望があるようで乳房を咥えると放さない。アンジェラも自分は正常だと言うがどうやらかなり母性愛が強い女性のようで、靖がいつまで乳房を吸っていても余り厭がる気配が無い。そんな女性でなければもともと靖のような何処と無く頼りない男を好きになったりはしなかっただろう。結局2人は双方SでもMでも無いのにSMクラブという特殊な場所で知り合い、上手い具合に性的嗜好が一致したらしい。この先2人がどうなって行くか分からないが、案外年取るまで一緒にうまくやって行きそうに思えるのである。

アンジェラは、そんな難しいことを考えたわけではないが、靖が自分の大きな胸に幸せそうな顔してかぶりついているのを見て、彼とならうまくやっていけそうだという思いを深めていた。


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