ｲﾝﾀｰﾈｯﾄがとまらない-3
栗実は湯船につかっている間も、身体を洗っている間も悶々としていた。先程まで読んでいたエロ小説が頭から離れず、身体の奥が疼いて堪らなかった。小説の中の女性達はほとんどが望まない形で陵辱され、調教され、飼育されていく。その果てには女の喜びをその肉体に刻み込まれ、抗いがたい官能の海へ身を委ねていくのだ。どんなに拒んでも拒みきれない快楽。栗実はそんな想像を絶する快感がどれほどのものなのか知りたくて仕方がなかった。身体の自由を奪われ、身体中を男の舌や指が這い回り、やがては穴という穴を掻き回され、粘液まみれになっていく。想像すればするほど胸が高鳴り、シャワーのお湯とは違う、粘性の液体がじゅくじゅくと染みだしてくる。
そしてついに栗実は、兄に見られているとも知らずに自分を慰め始めた。最初はシャワーで身体を流す振りをして乳房を撫で回し、乳首にシャワーを当てたりしていたが、やがてシャワーを置き、リンスに手を伸ばす。容器の頭を押すと、とろりとした液体が吐き出された。栗実は手を差し出してそれを受け止めると、手にまぶしつけ、首筋に塗り始めた。首筋の次は鎖骨、乳房、お腹、下腹部……。次から次へとリンスを手に取り、身体をぬるぬるにしていく栗実。男の堅く、節くれ立った指を想像し、自分の身体を弄ぶ。どんなに渇望しても満たされることのない性欲は栗実は言いしれぬ切なさを感じていた。そしてそれはどんどんと激しさを増していく。乳房を自分で揉みしだき、細い指でぷっくりと盛り上がった土手を撫で回す。そして細い指先はリンスと粘液を混ぜ合わせ、小さくふくらんだ淫核を刺激する。とろみをまぶしつけ、くりくりと指の腹で撫で回してやると、弾けそうなくらいに膨らんだ肉豆は強烈な刺激を脳に送り込んでくる。
「（こんな事……してちゃいけないのに、指が止まらないよぉ……）」
栗実は頭の中で悲鳴を上げたが、それとは裏腹に指はニュルニュルと粘膜を這い回り、掻き回し、栗実はついに突っ伏してしまった。お尻を高く持ち上げ、指を蠢かせる栗実。肉豆は赤く充血し、淫靡な花弁は際限なく蜜液を垂れ流している。白いお尻をゆらゆらと揺らし、粘膜をひくつかせる栗実。やがて絶頂の波が訪れ、浴室にくぐもった悲鳴が響きわたった。
博久は扉の隙間から、妹の背中を食い入るように見つめていた。きめ細やかで張りのある肌は水滴を玉のように弾き、シャワーに上気した頬や濡れて張り付いたうなじはなんとも扇情的であった。そして、時折垣間見える乳房。湯煙の中、ふるふると揺れる乳房に、博久は神経を集中させ、乳首の先を流れる水滴に自分はなりたいとさえ思った。そして、堅くなった股間をなだめていたのだが、シャワーで身体を流していた妹の様子が少しずつ変化していった。最初は乳首にシャワーを当てたりしていて、少しうっとりした表情を見せていたのだが、指先がそろそろと乳房を這い回り、乳首を愛撫し始めた時には、博久は固唾を呑んでその様子を凝視した。妹は指先で乳首を弄りながら、乳房を撫で回していたが、やがてリンスを手に取ると身体中に塗り始めた。博久はその光景に驚きながらも、慌てて肉塊をひねり出すと、妹の手の動きに合わせて動かし始めた。これまで何度か妹の入浴を覗いたことはあったが、これほど淫靡な光景は見たことはなかった。栗実の行動は次第にエスカレートし、ついには股間に指を潜り込ませた。しかし、博久の方からはお尻しか見えず、博久は妹がこちらを向いてくれないかと期待した。しかし、そんな事になれば風呂場を覗いていたことがばれてしまう。博久はかぶりを振って、いよいよ堅さを増した肉棒を強く握りしめた。風呂場の中に、妹の押し殺した喘ぎ声が木霊する。次の瞬間、栗実は前のめりに倒れ、博久は驚喜した。白いお尻の奥深くまでが蛍光灯の下に晒されたのだ。愛らしい褐色の菊座はもとより、ぷっくりと膨らんだ肉割れ、亀裂からはみ出した花弁、そしてそこを激しく愛撫する白く細い指。博久は今にも飛び出していって、その熱い泥濘に自分の堅くなった肉棒を突き入れたかった。しかし、踏ん切りが付かずにそうは出来なかった。妹を犯すのになんの躊躇も罪悪感もなかったが、一歩を踏み出す勇気が出なかった。博久は自分の意気地のなさを呪いつつ、栗実の露わになった秘部を視姦した。そして、ついに栗実は絶頂に達し、博久も生臭い体液を手の中に吐き出した。ぬめぬめと妖しく蠢く淫唇と、自分の手に吐き出された白濁液を呆然と見比べる博久。興奮にこめかみがずきずきと痛み、何も考えられず、ただ、遠くに蝉の声が聞こえるだけだった。